今回は、90年代デビュー組の丸山茂樹プロ、藤田寛之プロ、片山晋呉プロをの新人時代をご紹介。90年代の日本ゴルフ界は、まだまだジャンボ尾崎の時代。彼に憧れた選手も多く、それと同時にジャンボから王座を奪おうとする若い選手が台頭してきた時代でもあった。
プロ転向後すぐに活躍した丸山、なかなか芽が出なかった藤田
丸山茂樹と藤田寛之は、2人とも1993年にデビュー。アマチュア時代からいわゆる“エリート”だった丸山は、デビュー翌年の「ペプシ宇部興産オープン」で初優勝。この年の「日本シリーズ」では2位に入るなど、プロに転向してからもその強さが変わることはなかった。
華々しいデビューの丸山に対して、鳴かず飛ばずだったのが藤田。デビュー戦の東建カップで11位に入る活躍をしたものの、その後は予選落ちが続き、賞金ランキングは148位。1年目はシード落ちを経験した。
プロ転向後4年目に初勝利の片山晋呉
丸山と藤田がプロ3年目を迎えた1995年にデビューしたのが、片山晋呉。日大ゴルフ部で丸山より3年後輩の片山は、「日本学生ゴルフ選手権競技」で優勝するなど、大学時代は33ものタイトルを獲得した。しかしプロに転向して3年は勝ちに恵まれず、初優勝はプロ4年目で迎えた、1998年「サンコー・グランドサマートーナメント」だった。
その後2000年には、初の賞金王に輝くなど順調にキャリアを積み重ね、2004~2006年で3年連続賞金王、2008年には5度目の賞金王と永久シード権を獲得するなど、日本のゴルフ界を引っ張る存在となった。
2000年からアメリカに主戦場を移した丸山、2000年代の日本ツアーで圧倒的な力を誇った片山、43歳となった2012年に初の賞金王に輝いた藤田、デビューした年は近くてもそれぞれ活躍の場所と時代は微妙に違っている。藤田が40歳を越えてから全盛期を迎えたように、名選手が必ずしも華々しいデビューだったとは限らない。それもゴルフならではの魅力で、40を過ぎてからも活躍できる数少ないスポーツの面白い現象だ。