優勝候補筆頭は、やはりボミ
「まず優勝候補の筆頭にあげたいのは、やはり現在マネークイーンを独走するイ・ボミ。スタンレーの昨年度の優勝者でもあります。ここのところ蓄積した疲労の影響からか、やや調子を落とし気味ですが、先週の日本女子オープンを棄権したことがかえって良い休養となっていれば、今週は大本命と言っていいでしょう」(中村、以下同)
「ボミの優勝に待ったをかけるのは誰か。私は火曜日に現地に取材に行ってきましたが、開催コースの東名CCは、思ったよりもラフが長くなっていました。東名はアップダウンがあり、グリーンが小さいコース。あのラフの長さからグリーンをとらえるのは相当難しいはずです。そのため、ドライバーでフェアウェイをキープすることが優勝への第一条件。次に、グリーン上でのパット力。富士山からの芝目があって、飛距離よりも、正確性とパッティングの良さが、上位進出の鍵となるはずです」
「そう考えると、対抗馬として挙げたいのが現在平均パット数ランキングでトップの鈴木愛と、パーオン率のランキングでボミに次いで2位の笠りつ子です。鈴木は優勝した日本女子プロでもそうでしたが、最終日にスコアを伸ばせる選手。“ノルと強い”選手です。最終日、ティショットがラフにつかまらず、得意のパットでバーディを量産し、ビッグスコアを叩きだす可能性があります。パット巧者だからこそ、勝負の鍵をティショットが握ると思います」
「一方の笠りつ子は、今日本人選手でもっとも気合が“見える”選手。後半戦を迎えて賞金女王争いも過熱していきますが、ストップ・ザ・ボミというか、『私が賞金女王になるんだ』という気迫を感じます。コックをあまり使わない曲がらないスウィングもコースと好相性」
シン・ジエも虎視眈々とチャンスを伺う
「もちろん、日本女子オープンでも優勝争いを繰り広げたシン・ジエも優勝候補。彼女の場合、本来はショットメーカーであると同時にパットの名手ですが、日本女子オープンではそのパットが勝負どころで入らず、勝ち切れなかった印象があります。こういう選手は、ひとつきっかけをつかむと手がつけられないくらい入りまくることがあるので、注目です」
畑岡奈紗さんも「十分チャンスあり」
「最後に、日本女子オープンで優勝した畑岡奈紗さんですが、火曜日に生スウィングをチェックして、想像以上の完成度に驚かされました。フェースの芯を食う割合が高くインパクトの音がいいんです。とにかくスウィングに無駄がなく、曲がりが少ない。ラフの長さ、アップダウンの大きさと、日本女子オープンの開催コースである烏山城CCと東名CCには共通点があり、十分にチャンスがあります」
「奈紗さんの強みは、シード争いも、賞金女王争いにも関係なく、のびのびプレーできる点。極端な話、練習ラウンドのような気持ちでプレーできることができれば、それは大きなアドバンテージとなります。日本女子オープンの17番、18番で見せたようなショットとパットが再現できれば、史上初のアマチュア初優勝からの2連勝が、視界に入るかもしれません。勝ち方を知っている中島常幸プロのアドバイスも大きいと思います」
みなさんは、「スタンレーレディス」誰が勝つと思いますか?
写真/有原裕晶、大澤進二
記事の訂正をしました(10月7日)