月刊ゴルフダイジェストの人気連載「地クラブ調査団」では、"地クラブ"と呼ばれる大手メーカーとは一味違ったインディーズ系ブランドのクラブをご紹介している。第11回となる今回は、日幸物産「ヴィバル・アルファ」にフォーカス!
パーシモン時代を知る老舗の最新ヘッド
パーシモンヘッドが主流だった1980年代まで、日幸物産は、国内の多くのメーカーに米国産パーシモン素材を供給していた。「VIVAL(ヴィバル)」は、そんなゴルフ用品・パーツの総合商社がカスタムクラブ用として開発したモデル。
技術的には「スパイダーウェブクラウン」が大きな特徴で、クモの巣状の薄肉クラウンによって剛性分布を最適化し、クラウン全体がたわみ、エネルギーロスを抑えるという構造。
その結果、反発係数が上がり飛距離が出せるということ。何より試打した伊丹プロが驚いたのは、「ハイドロ―しか出ない」ということだ。
「アップライトに見えるし、深度も深そうなのでいかにもつかまりそうだが、打ってみると、どんなことをしても高いドローボールしか出ません」(伊丹)
重心距離は“飛ばし”に効く
ヘッドデータに際立った特性はなく、重心距離がやや長めといった程度。重心高さは高めで、ヘッドスピードが遅くても球が上がるだけのスピン量は得られる。
ヘッド重量 195.9g (標準)
重心距離 40.0mm(やや長い)
重心深度 35.4mm(標準)
低重心率 68.0% (高重心)
「球を操りたい人は不向き。ドロー一辺倒でマネジメントするクラブです」(伊丹)
一般にカスタムヘッドは、上級者や競技アマクラスのものというイメージが強い。しかし、このクラブなら、「腕には自信がないけれど、カスタムヘッドに挑戦したい」という“カスタム初心者”も十分楽しむことができそうだ。
(月刊ゴルフダイジェスト2016年11月号より抜粋)