先日、2017年に世界ゴルフ殿堂入りするプレーヤーが発表された。2016年のライダーカップで米国選抜主将を務めたデービス・ラブⅢや91年マスターズ王者のイアン・ウーズナム、ロレーナ・オチョアら5人が選ばれたのだが、この「世界ゴルフ殿堂」、知ってるようでイマイチ仕組みがわからない。今回は「世界ゴルフ殿堂」の仕組みや歴史をご紹介!

「世界ゴルフ殿堂」は、26団体で構成されている

「世界ゴルフ殿堂」は、ゴルフにおいて顕著な成績を残した選手やゴルフの発展に大きく寄与した人に、その功績を称えるための組織。驚くことに、昔は「ゴルフ殿堂」と名のついた組織が世界にいくつもあった。1996年に「世界ゴルフ殿堂」が誕生して以来、それらはこの組織に集約。なんと世界各国の 26団体が加盟しているとか。

画像: デービス・ラブⅢは世界殿堂入り決定に、「まさか、選出されるとは思わなかった。こんなに名誉なことはないけれど、今もまだ信じられない」と、興奮気味に語った。

デービス・ラブⅢは世界殿堂入り決定に、「まさか、選出されるとは思わなかった。こんなに名誉なことはないけれど、今もまだ信じられない」と、興奮気味に語った。

偶数年に受賞者を発表し、奇数年に授与式が行なわれる

殿堂入りに関して、1996年から毎年選出されていたが、2013年以降は2年に1度に変更。偶数年に選出者が発表され、翌年にその授与式が行なわれるという流れになった。また、2014年からは選出されるカテゴリーも見直され、それまであったインターナショナル部門が無くなり、男子、女子、ベテラン、ライフタイムアチーブメントの4部門に。

画像: 91年「マスターズ」を制したイアン・ウーズナムは、イギリス人として初のメジャーチャンピオンとなった

91年「マスターズ」を制したイアン・ウーズナムは、イギリス人として初のメジャーチャンピオンとなった

選考委員75パーセント以上の賛成を得て、殿堂入りとなる

選出の条件は、男子選手部門の場合、「世界のツアーで15勝以上、もしくはメジャー(4大メジャーとプレーヤーズ選手権を含む)で2勝以上挙げていること」となっている。条件を満たした中から、候補者を選考委員会が選出し、その候補者について、ジャック・ニクラス、ナンシー・ロペスら16人の委員が議論・投票を行なって、75%の賛成を得た場合、晴れて殿堂入りとなる。

画像: ロレーナ・オチョア メジャー2勝を含む27勝を挙げ、世界ランク1位の座を157週間守り抜いた“絶対女王”

ロレーナ・オチョア メジャー2勝を含む27勝を挙げ、世界ランク1位の座を157週間守り抜いた“絶対女王”

日本人初選出は、“日本人唯一のメジャーチャンプ”樋口久子

画像: 77年「全米女子プロ」で日本人初のメジャー制覇を成し遂げた樋口久子プロ。03年には特別功労者部門で日本人初の世界殿堂入りを果たした

77年「全米女子プロ」で日本人初のメジャー制覇を成し遂げた樋口久子プロ。03年には特別功労者部門で日本人初の世界殿堂入りを果たした

この世界ゴルフ殿堂、日本からはこれまで4人選出されている。2003年に樋口久子がアジア人として初めて選出されたのを皮切りに、2004年に青木功、2005年に岡本綾子、2011年に尾崎将司が選出された。

04年にインターナショナル部門(国際投票部門)で殿堂入りした青木功。その後の岡本綾子、尾崎将司もこの部門からの選出

今後日本人選手では誰が選出されるのか。松山英樹や宮里藍など男女とも可能性のある選手は多いが、殿堂入りの最低年齢が40歳から50歳に引き上げられたため(現役選手の場合。引退選手は、年齢に関係なく、引退から5年以上経過していることが条件となる)、彼らが受賞するとしても、それはまだまだ先の話。松山には男子部門の選出条件でもある「メジャー2勝」をぜひ達成してほしいですね。

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