今野プロと訪れたのは、六本木にあるフィッティングスタジオ「トゥルースペック」。片岡大育プロのコーチも務める青山充プロによると、「GEARSは体の動き、クラブの動きを正確に解析できるシステムです。このデータを使うことでボール弾道の理論をわかりやすく理解できます。その上でスウィングの改善、クラブのフィッティングに役立てることができます」とのこと。
スウィングを丸裸にする3Dモーションキャプチャー
「GEARS」は体に装着されたセンサーの動きを室内の上部8カ所に設置されたカメラでとらえ、そのデータをパソコン内で処理。画面上に再現することでスウィングを解析できるシステムである。
今野康晴プロのスウィングを実際にパソコン上で動かしたのが下の動画だ。画面左に表示されている数値は、フェースの向きや手首の角度、腰の回転量など。スウィング中の体の動きとクラブの動きがすべて数値でも確認できるところが大きな特徴である。
ヘッドの動きも細かく解析して曲がる原因を特定
さて、実際に今野のスウィングを解析していこう。ドローヒッターである今野のクラブヘッドは、インパクト前後でどのように動き、どのようにインパクトを迎えているのだろうか。
衝撃! インパクトでフェースは開いていた
「インパクトではターゲットに対してフェースは約5度オープン。軌道はインサイドアウトで、入射角は2.5度アッパー軌道という数値でした。ややヒール寄りでヒットすることで右へプッシュアウトをすることなく理想的なドローボールが打てています」(青山プロ)
ドローというとフェースはスクェアか、少しかぶった(左を向いた)状態でインパクトを迎えるという印象があるが、実際はフェースが開いた状態でインパクトしていた! 今野自身の感覚はどうなのだろうか?
「自分では意識していませんでしたが、インパクトではフェースが少し開いた状態で当たってるんですね。インサイドアウトの軌道でフェースはターゲット方向に当たるのが正しいと思っていましたが……」
ツアー7勝の今野康晴をもってしても、自分の感覚と実際のクラブの動きでは異なっている。ましてやアマチュアなら、自分の思っているスウィング像と実際のスウィングは大きく異なる可能性もある。
もちろん、これだけ細かく分析できるとスウィングは丸裸にされてしまう。丸裸は恥ずかしいけど、どこが悪いのか分析してくれて、改善方法が分かれば上達の近道になりそう。スライスを脱してドローを打ちたい! と思うなら、一度体験してみるのもアリかもしれない。