男子シニアツアーの富士フイルムシニア選手権(千葉・ザ・カントリークラブ・ジャパン、7022ヤード=パー72)は田村尚之が嬉しいプロ初優勝を決めた。49歳でプロに転向した異色プロの「勝者のスウィング」を、プロゴルファーの資格を持つ「みんなのゴルフダイジェスト」編集部員の中村修が解説!

田村尚之選手のスウィングの特徴はフェースを飛球線と直角にしたままスウィングする点です。フェースの開閉を行わないで打つ正確性を重視したスウィングですが、遠心力を使って飛距離も出ます。詳しく見てみましょう。

手の長さを揃えたアドレス

ボールの位置は体の真ん中で、手の位置も右足太ももの前に構えています。ゴルフのグリップはアドレス時には右手は左手よりも下にあるために、右の肩が下がるのが通常のアドレスになります。田村さんの場合は手元を右足の前にセットすることで腕の長さを揃えて、真っすぐに立って構えるように工夫しています。

画像: 手元は右足の前。ボールは体のほぼ真ん中だ

手元は右足の前。ボールは体のほぼ真ん中だ

クラブを立てて上げるバックスウィング

フェースを開かず、クラブを立てるようにバックスウィングを上げていきます。ジュニア時代にゴルフを始めた際に、ボールが曲がると同伴者に迷惑がかかるので、何とか曲がらないように打てないかと考えて作り上げたスウィングだと言います。

画像: フェースを開かずにクラブをあげていく

フェースを開かずにクラブをあげていく

フェースを開かないトップ

フェースの向きを開かずキープしたまま、肩を上から下に動かすようにしてクラブを上げています。右足への重心の移動はほとんどせずに、その場で回転するイメージが見て取れます

画像: 右足への体重移動は少なめ。その場で回転するイメージだ

右足への体重移動は少なめ。その場で回転するイメージだ

手が近くに下りるダウンスウィング

ハンドファーストに当てようとする意識がないので、手元が先行せず、体の近くから離れずにインパクトに向かっています。アドレスの形にインパクトで戻ろうとする、体に負担の少ないスウィングと言えるでしょう。

画像: 手が体から離れず、先行しない

手が体から離れず、先行しない

アドレスと同じ「手の位置」でインパクト

インパクトはベタ足で、手元はアドレスの位置に戻っています。スウィングの再現性の高さを感じさせますね。フェースを開閉せずに振るスウィングなので、ミスショットはダフりかトップだけで方向性は確保されているところが大きなメリット。遠心力を使って効率よくヘッドを加速するために体の中心は動かさずに振っています。

画像: インパクトの瞬間、手の位置が見事にアドレスの位置に戻っている

インパクトの瞬間、手の位置が見事にアドレスの位置に戻っている

インパクト直後に手元を追い越すフォロー

インパクトを境に左手首を支点にクラブが手元を追い越していきます。

画像: 体の動きは静かだが、まるでハンマー投げのようにヘッドに遠心力が働いているため、スウィングアークは大きい

体の動きは静かだが、まるでハンマー投げのようにヘッドに遠心力が働いているため、スウィングアークは大きい

ターゲットに正対するフィニッシュ

上半身と下半身の捻転の差を作らないので、フィニッシュではターゲットと正対しています。自分の体に合った、無理のないフィニッシュを意識しているのが見て取れますね。

画像: ターゲットに正対するフィニッシュ

自分に合ったボール位置・手の位置を見つけよう

ボール位置、手元の位置は独特ですが、頭の位置は基本に忠実な位置を守っていて、ボールより左側に突っ込むことはありません。田村選手のように、自分のスウィングに合わせたボール位置や手元の位置を探してみることも上達のヒントになりますよ。

This article is a sponsored article by
''.