2016年のアメリカ大統領選の結果、第45代の大統領に選ばれたドナルド・トランプ。ゴルフコースを多く所有する彼が大統領に当選したことは、ゴルフ界になにか影響を与えるのだろうか? 長いアメリカ在住歴を持つプロゴルファー、タケ小山に聞いた。
WGCや全英オープン開催コースに影響がある!?
「PGAツアーは人気商売。基本的には、ファンが望むことを実行していく組織です。国民がトランプを選んだ以上、それをPGAツアーも意識していくことになるでしょう。たとえば、今年までトランプが所有するトランプナショナルドラールで開催されていたWGCキャディラック選手権。これは2017年からメキシコ開催への変更が発表済みですが、今回の選挙結果を受けて今後見直される可能性もあり得ると思います」(小山、以下同)
トランプナショナルドラールで開催されていた「WGCキャディラック選手権」は、2017年からメキシコに会場を移すことが6月に発表されたばかり。トランプは全英オープン開催コースのひとつであるターンベリー(トランプ ターンベリー)も所有しているが、そちらもトランプの人種差別発言を問題視して、全英の開催ローテーションから外されている。
「R&A(ロイヤル&エンシェント、英国ゴルフ協会)も、大統領が所有するコースとなれば考えが変わる可能性はあります」と小山。アメリカ大統領がコースを所有している。このこと自体が、考えてみれば前代未聞と言えそうだ。
「アメリカのスポーツ界は共和党支持者が多い」
「そもそも、PGAツアーの選手は共和党の支持者が多い。ライダーカップ(米国と欧州の対抗戦)のとき、選手たちはホワイトハウスを表敬訪問するのですが、(共和党の)ブッシュが大統領のときは行ったけれど、(民主党の)クリントンのときは行かないなんていう選手もいたくらいです」
アメリカのスポーツ界は共和党支持者が多く、PGAツアーの選手たちもその例外ではないという(もちろん共和党支持者=トランプ支持というわけではないだろうが)。ちなみに上に挙げたのは今回の選挙結果を受けてのジョン・デーリーのツイートで、内容はトランプの当選を祝福するもの。
これもトランプ支持と直接的に結びつくわけではないが、多くのトッププロがトランプのツイッターをフォローしている。ゴルファーたちが、ドナルド・トランプに“注目”しているのは間違いないだろう。
ハンディキャップ「3」という情報もあるドナルド・トランプ。ゴルフビジネスにおいても決して見逃せない存在感を放つ彼の大統領就任によるゴルフ界への影響を、今後もウォッチしていきたい。