コンセプトは「世界でもっとも美しく、世界でもっともやさしいアイアン」
「0311」シリーズは、上の2本とツアーモデルの「0311T」の3モデルがある。「0311」はノーマルモデル。「XF」はシリーズ中もっともやさしいモデルだ。ロフトは30度と31度とストロングロフト。

右「0311 アイアン」●ロフト 31度(7番)●シャフト KBS Tour-V(S)、左「0311XF アイアン」●ロフト 30度(7番)●シャフト KBS Tour-V(S)
このシリーズで特徴的なのは黒いタングステンのウェートがバックフェースに多数配置されているということ。「0311」には11個、「XF」には10個、それぞれ配置されている。見た目にほとんど違いがないが、実際に打ってみてその違いをあぶりだしてみよう。
ソフトな打感と高い操作性。上級者が満足できる中空アイアン「0311」
まずは「0311 アイアン」。顔から見てみよう。
ヘッドサイズは大きすぎず、小さすぎないミディアムサイズ。トップブレードはやや厚めで、強い球が打てそうだ。ただ中空アイアンにありがちなボテッしたと印象はまったくなく、シャープでいい顔つきをしている。ピンの「iブレード」に似ているというのが第一印象だ。
セミグース形状なので「つかまり」はよさそうだが、若干トウ側が外側を向いている。いわゆる“逃げ顔”なので、引っかけるイメージは湧かない。では、早速打ってみよう。

トウ側を少し外側に“逃がした”顔
メーカーが謳っている通り、打感はとてもソフト。この軟らかさは振動を吸収する素材「 TPE 」を内部に注入していることにより実現したそうだが、納得の心地よい打感だ。
そして、中空アイアンにしては珍しく、インパクトでボールの感触がぼやけることなく、しっかりと手に伝わってくる。アイアンに大事な「球を操作している」という感じがする。

フェースは薄く仕上げらていて、打感はとてもソフト
球の上げやすさに関しては、さすが中空アイアンといった感じ。ポンッと楽に上がってくれる。上から打ち込む必要はなく、広いソールを滑らせて打てば、自然と高い球が出る。
中空アイアンというと、ひと昔前はアマチュア向けクラブという印象があった。ただこのアイアンはPGAツアーのプロが多数使っているように、それらとは一線を画す。むしろ中・上級者に向けたクラブという感じがする。

振動を吸収する素材「 TPE 」をヘッド内部に注入したことで、ソフトな打感だけでなく高初速も実現した
打感の軟らかさであったり、高い操作性。バックフェースのウェートにより弾道を調整できるなど、上級者が満足できる性能を備えている「0311」。最大の売りが「やさしさ」ではない特異な中空アイアンだ。今まで中空アイアンを使ってこなかった人にこそ、一度使ってほしいと思う。
スウィートエリアがとにかく広い 「0311XF」
続いては「XF」。構えた印象は中空アイアンらしく、ぶ厚いトップブレードで安心感がある。グースの度合いは、先ほどの「0311」と同じくらいだ。
ブレードの長さは「0311」よりも長い。ソールも広く、ポンッと置いただけでターゲットに構えられる座りの良さは抜群だ。では、打ってみよう。

トップブレードが厚く、フェース長も長いので安心感がある
やはり先の「0311」と同様に打感は最高に軟らかい。ボールを潰して飛ばしているような感触で、中空アイアンに多い“弾き系”ではない。
そしてもっとも驚いたのが、ミスへの許容度が極めて大きいということだ。芯を大きく外れた箇所でヒットしても飛距離の落ち込みはほとんどない。フェース全体がスウィートエリアであるかのような印象を受ける。

スウィートエリアが広い!
ロフトは30度と立っているが、球の高さは申し分ない。バウンス角が9度と大きいため、バウンスを使ってポンッと球を上げてくれる感じがする。顔、スウィートエリアの広さ、球の上げやすさ、すべてにおいて「やさしい」アイアンだ。

低重心なので、ロフト30度でもしっかり球が上がる
同シリーズの「0311」や「0311T」ははっきりいって初心者にはおすすめできないが、この「XF」は初心者にぜひとも使ってほしい。ミスへの寛容性を求めたい人には最適のアイアンのひとつと言えるのではないだろうか。
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全力試打!ギア王 PXG 「0311 アイアン」 「0311XF アイアン」
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