2016年「大王製紙エリエールレディス 」はテレサ・ルーが優勝。2日目にコースレコードを更新する10バーディ「62」と大爆発し、4日間競技のツアー記録となる24アンダーを叩き出したそのスウィングを、「みんなのゴルフダイジェスト」編集部員でプロゴルファーの中村修が解説!

腕に力みのないアドレス

腕の力感に注目してみましょう。グリップの握る強さも含めて腕に力が入っていないのが見て取れます。グリップや腕に「ギュっと」力が入った状態からバックスウィングを始めると、腰や胸いわゆる体幹でバックスウィングを始動することができなくなります。このリラックス感、大いに見習いたいですね。

画像: グリップや腕に力が入っていないアドレス

グリップや腕に力が入っていないアドレス

バックスウィングで右股関節にパワーを溜め込む!

始動では、早い段階で右の股関節にシワが寄っていますね。これは、バックスウィングでエネルギーを溜め込むために、右脚の内側の筋肉を使っている証拠です。始動で右にスウェーしてしまう人は、右足かかとの内側を意識しましょう。体が右に流れず、ルー選手のようなしっかりとエネルギーを蓄えたバックスウィングが取れます。

画像: 右脚の内側に意識を持つことで右サイドが支点になる

右脚の内側に意識を持つことで右サイドが支点になる

上半身フルターン! それでも右ひざは動かない

背中がターゲットを向くよりもさらに深く捻転しています。注目は右ひざです。前の写真とほとんど変わらないくらい、動いていませんよね。右サイドにゆるみがなく、そこを支点に体がしっかりとねじられている。それが飛ばしのエネルギーになるんです。

画像: 右サイドを支点にしてねじられたトップ

右サイドを支点にしてねじられたトップ

「極上の切り返し」この切り返しを真似したい

見て欲しいのは下半身と上半身の向きです。下半身は正面側を向いていますが、上半身はまだ飛球線後方を向いています。これぞ下半身リードといえるでしょう。右写真の右のひじにも注目して下さい。右上腕が体にくっついていますよね。このように切り返すことで、再現性の高いインパクトを迎えることができるんです。

画像: 切り返しで右ひじが体から離れない

切り返しで右ひじが体から離れない

右腕は体の側面にあるインパクト

切り返しで、右上腕が体にくっついている点に注目してもらいましが、そのカタチがそのままキープされたインパクトとなっています。これは、腕の力で振らずに、腰の回転で上半身とクラブを動かしていることを表わしています。腕の力で振ろうとすると、右ひじが体から離れてしまい軌道が安定しない原因になります。ここは大いに参考にしてもらいたいポイントです。

画像: 右ひじは体についたまま。これが低く長いインパクトゾーンを生む

右ひじは体についたまま。これが低く長いインパクトゾーンを生む

インパクトからクラブだけが進んだフォロー

インパクトの形とフォローの形を比べてみると、腕とクラブの位置は進んでいるものの、腰から下の下半身の形はほとんど変わっていません。これは「インパクト前に体の回転が終わっている」ということです。インパクトで腕や手を使って“合わせる”動きが一切入っていない証拠であり、逆に言えばしっかりと体幹で打てている証拠です。

画像: インパクトではフォローの位置まで腰は回っている

インパクトではフォローの位置まで腰は回っている

しっかりと振り切ったフィニッシュ

左右への重心の移動は少ないスウィングなので、スタンスの中心で立つバランスの取れたフィニッシュです。インパクト前に腰の回転を先行させて、クラブを加速させたらクラブのエネルギーに従ってフィニッシュまで振り抜く。体に負担の少ないフィニッシュになっています。

画像: スタンスの中心に立つバランスの取れたフィニッシュ

スタンスの中心に立つバランスの取れたフィニッシュ

おへそに注目! ドライバーショット

注目して欲しいのは「おへそ」です。バックスウィングからフィニッシュまでおへその位置を観察してみて下さい。バックスウィングでもダウンスウィングでも常にクラブをリードするように先行して動いています。

ルー選手のスウィングをアマチュアが参考にするならば、バックスウィングでは右足のかかと内側、ダウンスウィング以降は左足かかと内側を意識するのがオススメです。意識することでしっかりと体重を受け止めることができ、体が流れず、飛距離アップにもつながるはずですよ。

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