通称は“877”で“バナナ”
フォーティーンから発売されている通称“バナナ(877)”と呼ばれる UT「HI-877」 。その名の通りのイエローのカラーリングで見た目はまさしくバナナ。ロフトは18度、21度、24度、27度、30度の5種類がラインナップされているが、今回は4Uに相当する24度を試打した。
ウッド型とアイアン型の良いとこ取りしたユーテリティ
構えたときに思うのは、とにかく「座りがいい」ということ。「HI-877」はアイアン型ともウッド型とも言えないフォルムのUTだが、構えた時の見え方は完全にアイアンなので、ターゲット方向にラインを合わせやすい。
また、トップラインの黄色とフェース面の色が明確に区別されているからか、フェースが実際のサイズ以上に大きく見えて安心感がある。
打音は少し金属音が混じるような音で打感はやや硬め。無駄なスピンがなく、強く直線的な球を打つことができる。吹き上がることはなく、ラインを出して狙い打ちできる感覚だ。
アイアン型のような見た目なので、球を上げるためには多少打ち込む必要があると思いがちだが、そのような必要はなく、広いソールを滑らせて打つと自然と球は上がる。「球の上げやすさ」という点ではウッド型UTといえる。
ユーティリティのことを海外ではハイブリッドと呼ぶが、本作はアイアン型のハイブリッドと、ウッド型のハイブリッドの、そのまたハイブリッド。ハイブリッドのハイブリッド、という印象だ。
また、ソール幅は広いがヒール側が削られているため、地面に引っかかたり、刺さったりという心配は少なく、抜けも良さそう。このあたりは、さすがウェッジのソールを研究し尽くしているフォーティーンと言ったところか。
UTはどうしてもアイアン型かウッド型かで一長一短がある。ただこの「HI-877」は、「構えやすさ」と「ラインの出しやすさ」という点ではアイアン型ユーテリティの良さを持ち、「球の上げやすさ」と「ショットの安定感」でいえばウッド型の良さを持つ。まさにいいとこ取りのユーテリティというわけだ。
真っ黄色な見た目は好き嫌いが分かれそうだが、ウッドとアイアンの中間クラブであるUT選びに悩んでいるゴルファーは一度お試しいただきたい機能的クラブだ。