178センチ、66キロ。細身の体でなんで300ヤード飛ばせるの?
ジャスティン・トーマスは178センチ、66キロと、日本人と変わらないような体型で、PGAツアーの選手の中では明らかに小柄で、細いです。それでいながら何故300ヤードを越す飛距離を連発できるのか? その秘密を探っていこうと思います。
ボールが左わきの下で頭は体の中心よりも右側にある、一目でドローヒッターとわかる構えです。インサイドからクラブを下ろし、軌道の最下点を過ぎたポジションでインパクトしたい。そんな意図が伺えます。アドレスの段階で、早くも飛びそうですね。
右サイドを動かさないバックスウィング
バックスウィングは、手首のコックをあまり使わず、低くワイドに上げています。右足への荷重はあるけれど、腰の位置を見ると、右サイドへの移動は最小限。アドレスで作った軸を中心に体を回転させています。右のひざと右腰が流れず、しっかりとエネルギーを溜めている点は、アマチュアのみなさんにも是非にしてもらいたいです。
右脚の内側で捻転を受け止めるトップ
トップでも右ひざの位置はアドレスからほとんど変わりません。ダウンスウィング以降の高速回転のエネルギーをしっかり溜めるために、右足でガッチリと地面を踏みしめていて、その場で体をコイル(回転)させています。上半身と下半身の捻転差、手の位置の高さ。飛ばしの準備が完了しています。
ダウンスウィング
バックスウィングで右に移動しなかったように、ダウンスウィングでも左への移動は最小限。それでいて、まるで地面を釘付けにするように、左足をしっかり踏み込んでいる点に注目です。「腰を切る」のではなく、「体幹を回す」ことによってスウィングしている。そういう印象ですね。
左足がジャンプする「ラビットインパクト」で超高速回転!
最近の飛ばし屋の特徴である、左ひざピンと伸びて飛び上がるような動き「ラビットインパクト」が見えます。トップからダウンスウィングにかけて左足にしっかり荷重して踏み込んでいき、インパクトに向けて伸ばす。地面からの反発力を使うこの動きで、体幹を超高速回転させる動きが特徴です。
頭とクラブヘッドが引っ張り合う大きなフォロー
頭とクラブヘッドが引っ張りあって、大きなフォローを作ります。クラブと右腕が一直線のままフィニッシュに向けて振り抜かれていきます。
ビタッと止まるフィニッシュ
スウィングに一切のよどみや引っ掛かりがなく、トップから高速回転でフィニッシュに一気に振り抜かれて「ビタッ」とフィニッシュで止まっています。バランスが崩れないので方向性もいいですね。
【ココを真似しよう!】ヘッドを浮かせた「動き出し」
体幹の回転力で飛ばすためには、手先や腕の力感を一定にすることが大切です。トーマスのアドレスを見ると、ヘッドを浮かせた状態から始動していますが、こうするとクラブの重量を感じられ、グリッププレッシャーが変わりにくくなることで、動き出しがスムーズになります。
クラブヘッドを地面に置いてしまうと、クラブの重さを感じていない状態からスタートし、動き出したところで重さを感じることで、無意識のうちに強く握ってしまいます。そうするとスウィング中にグリッププレッシャーを一定にしにくくなります。ほんの少しでもヘッドを浮かせた状態からスタートすることで、手打ちを防ぎ体幹で振るスウィングを意識しやすくなります。お試しください。
※2017年1月10日21:00 内容を一部修正致しました