日本人ゴルファーはハイスコアゲームが苦手?
今大会は26アンダーの亀代順哉が3位(優勝者は28アンダー)、アジアンツアーの歴史の中でも3番目のロースコアゲーム、すなわちスコアを伸ばし合う試合展開だった。ファイナルQTに出場した日本人17人のうち、亀代ひとりしか、この展開についていけなかったのだ。
実際今回QTに出場した日本人選手たちの感想からも、アグレッシブにプレーする海外選手に若干押されたという印象は否めない。
アジアジュニア協会に所属し、代々木高校ゴルフ部で監督を務める吉岡徹治さんは「日本人は耐え忍ぶことを美徳とし、海外選手はハイスコアこそがプロ」という意識がこの結果を招いたと考察する。すなわち日本人は「スコアをまとめること」に主眼を置くのに対し、海外選手は攻めてバーディをたくさん獲ることを目指す。
日本人「スコアいくつだった?」 海外「バーディいくつ獲った?」
その傾向は、ジュニアゴルファーの親を見ていると分かるという。ラウンドを終えた選手たちに日本人の親は「スコアいくつだった?」と聞く。これは我々日本人にとっては当たり前のことだ。しかし海外の人たちは「バーディいくつとった?」と聞くことが多いそうだ。
日本では、スコアをまとめる能力が重要視される。そのためトップジュニアには、ショートゲームが上手い選手は多くても、ショットメーカーは少ないという。練習ではあえてパーオンをせず、グリーン手前からきっちり寄せてパーでしのぐ、そのようなゴルフで育つことが多いからだ。
もちろん「スコアをまとめること」に主眼を置くのは、決して悪いわけではなく、難しいコースセッティングでは優位になる可能性が高い。ただスコアを伸ばさないと上位にいけない試合では不利になるかもしれないということだ。
日本人でも石川遼など「攻める」ゴルファーはいる
もちろん日本人でもバーディをたくさん獲るような「攻め」のゴルフを展開する選手はいる。その代表は、現在米ツアーで活躍する石川遼。飛距離を追求し、果敢にピンを攻めるスタイルで多くのファンを魅了。それを結果にも結びつけていた。
「スコアをまとめるゴルフ」か「攻めるゴルフ」か。みなさんも一度自分のプレースタイルを考察してみてはいかがだろうか。