平均ストローク ○松山:68.715(1位) トーマス:68.785(2位)
「59」という爆発的なスコアも叩き出したトーマスだが、平均ストロークでは松山がわずかに上。平均ストローク68点台は、ツアーでも松山とトーマスの二人だけ。いかにこの二人が今“旬”かが、この数値から見て取れる。
ドライビングディスタンス 松山:305.0Y(18位)○トーマス:308.5Y(12位)
飛ばし屋のイメージが強いトーマスに対し、松山は3ヤードと僅ずかな差で追走しており、ほぼ互角。松山も堂々の平均300ヤード越えはお見事だ。
フェアウェイキープ率 ○松山:63.60%(66位) トーマス:56.69%(166位)
この数字が強烈に“悪い”のがトーマス。約56%とほぼ2回に1回はフェアウェイを外す数値で、ランクはなんと166位。一方の松山は約63%とほぼ3回に2回はフェアウェイをとらえるという、ほぼツアーの平均といった数字。ティショットの正確性では松山に軍配、といったところか。
パーオン率 ○松山:77.78%(6位T) トーマス:75.83%(27位)
松山のアイアンショットには世界のトッププロたちからも絶賛の声が聞かれるが、それは数字にも表れている。一方のトーマスも、ランキングこそ松山に20位以上劣るが、数字は見事。それも、ティショットのフェアウェイキープ率に対してパーオン率がこれだけ高いのは、類いまれなアイアンのキレを思わせる。
ストロークゲインドパッティング 松山:-.265(139位)○トーマス:1.153(9位)
「ストロークゲインド」はPGAツアー独自の指標で、ツアー平均に対してどれだけストロークを稼いでいるかを表す。「ストロークゲインドパッティング(SGP)」を例にとれば、トーマスはツアーの平均に対して1.153打パターでスコアを稼いでいる。逆に松山は、マイナス0.265打損しているということになる。主要指標の中では、松山が唯一3桁順位なのがこのSGP。それに対して、トーマスはパットの数値も良く、オールラウンドプレーヤーぶりを発揮している。
ストロークゲインドティトゥグリーン 松山:1.857(7位)○トーマス:2.221(4位)
これは、ティショットからグリーンにオンするまでの間のショットで、ツアー平均に対してどれだけスコアを稼いだか、あるいは損したかの指標で、要するに選手のショット力を表す指標。松山、トーマスともにツアー平均より約2打ショットで稼いでいることがわかる。いずれ劣らぬショットメーカーと言える。
ストロークゲインドトータル 松山:1.592(21位) ○トーマス:3.374(2位)
ツアー平均より平均して1.5打以上スコアがいい松山もすごいが、トーマスはなんと3.3打以上いいスコアを出している。このあたり、スコア59を出すなど爆発力のあるトーマスと、僅差でも勝ち切る勝負強さを発揮する松山の個性の違いが表れているようにも思える。
スクランブル率 松山:67.19%(35位) ○トーマス:67.82%(29位)
スクランブル率は、パーオンしなかったホールでパーかバーディを奪った確率を表す。ショートゲームの巧さを総合的に表す指標といえ、ここは松山、トーマスともに67%と高い数字をキープ。
松山とトーマスの部門別成績、なぜか似ている!?
これら主要8部門を見渡して、意外なことがわかる。「松山とトーマスのスタッツは似ている」ということだ。飛距離、ストロークゲインドティトゥグリーン、スクランブル率……両者の数字は妙に拮抗していて、「どちらが上」とはまったく言えないという結果となった(ただし、8部門のうち5部門はトーマスのほうが順位は上だ)。
両者を分かつのはフェアウェイキープ率とストロークゲインドパッティングの数値。フェアウェイキープ率はトーマスが悪く、SGPは松山が悪い。ドライバーショットには松山に、パッティングにはトーマスに一分の利があるといったところで、この数値の違いが長いシーズンを通してどのような結果をもたらすのかは神のみぞ知るといったところ。
松山英樹24歳。ジャスティン・トーマス23歳。まだ若い二人の、新たなるライバル伝説を期待したい。(数字はすべて2017年1月24日現在)