オフの間に徹底的に繰り返した「ハーフスウィング」
プロテストに合格したのが2014年、28歳のときという今どきの女子プロとしては“遅咲き”の岩橋里衣。そこからぐんぐんステップアップし、2016年のファイナルQTで18位と躍進。2017年シーズンのフル出場権を手にした。
さらには2月のグァム知事杯では見事3位入賞と、その勢いは加速しているようにも見える。その要因はどこにあるのか、ダイキンオーキッドレディスの練習日にコーチの関雅史に取材してみると、「オフの間にハーフスウィングをみっちりできたのが大きい」という答えが返ってきた。
「フェース面を手ではなく、体幹でコントロールできるとショットの精度はすごく高くなってくるんです。ではどうすれば体幹でフェース面をコントロールできるようになるかというと、それは基礎の反復しかないんです。具体的には、彼女にはオフの間徹底的にハーフスウィングをやってもらったんです」(関)
岩橋本人によれば、昨年までは引っかけてチーピンを打つケースが多かったのだそう。それが、ハーフスウィングを繰り返すことにより、2017年に入ってからは大幅に減ってきたという。
体を止めて手だけを返してもフェースはターンするが、その動きは再現性が低く、ミスを誘発する。同じ角度にフェースを動かすにしても、前傾角度をキープしたまま体幹の動きだけで行えば、再現性も精度も高くなる。
「ハーフスウィング、地味だし嫌いなんですけど(笑)、頑張ってやった成果がグァムで出たかなと思います」と岩橋。
「以前に比べて、フェースコントロールができるようになっているんです。フェースコントロールができるとは、自分が下ろしたいところにクラブを下ろすことができるということ。私は基本的にフェードが打ちたいんですけど、去年までの引っかかったチーピンみたいな球がだいぶ減って、強いフェードが打てるようになってきています」
「嫌いな練習」を愚直に続けられるのは、ゴルフの成績が生活に直結するプロだからこそかもしれないが、我らアマチュアゴルファーも、本当に上手くなりたいと思ったら、こういう“地味練”をとりいれなければいけないのかも。とにもかくにも師弟二人三脚でツアーに挑む、岩橋里衣に注目だ!