手をカラダの正面にキープできると、球がつかまってラインが出せる
こんにちは、プロゴルファーの中村修です。みなさんは、レッスン記事などで「手はつねにカラダの正面にキープしましょう」といった表現を目にしたことはありませんか? 「ボディターン特集」などで、よくある表現ですね。しかし、よく目にする割に、これができているアマチュアの方は決して多くありません。
しかし実際のところ、スウィングしている間、手はカラダの正面にキープするのが正解で、これができないとボールをつかまえたり、ラインを出したりすることができません。70台を目指していくには必須のテクニックとなるので、覚えてもらいたいテクニックなのは間違いありません。
そこで今回は、「手はカラダの正面」とはどういうことか、読者のみなさんにも実際にカラダを動かしていただきながら、感じてもらおうと思います。
まず、クラブをカラダの正面で構えたら、足を肩幅に開き、胸を右→左と向けてみてください。当たり前の話ですが、肩、ひじ、前腕、手首を動かしたりひねったりしない限り、手はフォローまでカラダの正面にあり続けることがわかると思います。
ここまでオッケーでしょうか。基本的には、この動きができる人なら「手はカラダの正面」にキープしたまま打っていくことが可能。しっかりとボールをつかまえる感覚、ピンに対してラインを出していく感覚まではあと半歩の距離と言えます。
では、次に今やったのとまったく同じ動きを、前傾して行ってください。こんな感じです。
いかがでしょうか。
「あれ、手をカラダの正面にキープしたまま右を向いて、左を向いただけでスウィングになってる?」
と思えたならばしめたものです。前傾した写真を並べてみてみましょう。
6番アイアンで100ヤードくらいポーンと打つスウィングに見えますよね? でも実際は、手をカラダの正面にキープしたまま、体を右、左に向けただけの動きです。
忘れないでいただきたいのですが、実際のゴルフスウィングでのカラダの使い方は、これとまったく同じです。これ以上の動きはほぼ一切ありません。ゴルフスウィングとは、手をカラダの正面にキープしたまま、カラダを左右に向ける作業なのです。
これができたら、飛ばしたいときはカラダの回転速度を速め、アプローチなどではゆっくりにする。それだけで距離のコントロールも可能になります。
もうひとつ注目してもらいたいのが、右手と左手の関係性です。上の写真を拡大したものをみてみましょう。
この記事の最初にこの写真があったら、多くのみなさんは「手を返している写真」だと思うのではないでしょうか。しかし実際は、今まで見てきたように、手をカラダの正面にキープしたまま、カラダの向きを左に向けただけ。それでも、正面からは、まるで手をターンさせたかのように見えます。
同じポジションをターゲット方向から見るとこうなります。手がカラダの正面にあるのがわかると思います。
タメを作ろう! などと考えたり、手の動きだけでクラブを振ると、このようにヘッドが遅れ、右に飛んでしまいます。
反対に、手だけ返そうとすると、ボールは左にいってしまいます。どちらも、手がカラダの正面から外れた状態です。
繰り返しになりますが、手がカラダの正面にありさえすれば、フェースは極端に右や左を向きません。だからしっかりとボールをスクェアにとらえることができ、狙った方向に正確にライン出しをすることができるんです。
この動きができると、アイアンのインパクトの打感、音、弾道、すべてが一瞬にして変化するはずです。コスる動きがなくなり、しっかりとボールを潰すことができるからです。
繰り返しになりますが、冗談抜きでゴルフスウィングとはたったこれだけの動きなんですよ!