2017年の中日クラウンズでツアー4勝目を挙げた国内屈指のショットメーカー・宮里優作。30代も後半を迎え、円熟味と同時にさらに切れ味が増してきたそのスウィングを、みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修が解説!

無駄な動きが一切ない、超効率スウィング

宮里優作プロの身長は何センチかご存知でしょうか。正解は170センチ。「えっ、もっと大きいと思ってた」という人は少なくないと思います。それくらい、優作プロのスウィングは印象として大きさがあります。無駄な動きがひとつもなく、ものすごく効率の良いスウィングをした結果、遠心力がマックスに働いている。そのため、スウィング自体が大きく見えるのだと思います。

優作プロのスウィングは、まるで太い筒の中で振っているように見えます。始動からトップまで右足の位置は不動。トップからインパクトにかけて、頭の位置もほぼまったく動きません。ゆったりとしたリズムで、スムーズに、流れるように振り切るスウィングは、もしゴルフに芸術点があれば満点があげられるようなスウィングと言えるのではないでしょうか。

特筆すべきは下半身、中でも左ひざの動きです。太い軸の中でターンするスウィングの中で、唯一動くのが左ひざ。テークバックで右ひざに寄せられた左ひざは、切り返し直後にアドレスの位置に正確にビタッと戻り、そこからインパクトにかけては不動の「左の壁」を形成します。この下半身の動きにより、カラダを効率良く回転させ、ヘッドを最大限に加速させているんです。

画像: 正確にアドレスの位置に戻される左ひざ。下半身が流れる動きは皆無だ

正確にアドレスの位置に戻される左ひざ。下半身が流れる動きは皆無だ

飛距離アップというと、スウィングになにかを足す必要があるように感じますが、優作プロの場合は、むしろ引き算。無駄な動きを削りに削って、ヘッドの加速効率を限界まで高めた結果として飛ばしている。そんな印象を受けます。

スウィング中左右に大きく動きすぎる人、ゴルフ仲間から「スウェイしてたよ」とよく言われる人は、優作プロのようなテークバックでの不動の右ひざ、ダウンでアドレスの位置に戻り、そこからは動かない左ひざの動きを、ぜひ参考にしてみてください。

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