「M1」の3番ウッドのシャフトを、ドライバーにつけてみた
編集部Fはヘッドスピード43〜44m/sと、一発の飛びに自信アリのパワーヒッター。だが、なにぶんにもミート率が悪く、ボールは右へ左へとっちらかって、スコアを悪化させるのが悩みの目標=100切りゴルファーだ。
そんなFに、編集部の同僚でありプロゴルファーの中村修が声をかけた。
中村「Fさんさあ、そんなに曲がるんだったら、いっそ短尺にしてみたら?」
F「短尺ですか。うん、結構です」
中村「結構ですって……どうせ飛ばないと思ってるんでしょ。でも、ファウラーもジミー・ウォーカーも短尺ドライバーで飛ばしてるし、結果も出してるよ」
F「そりゃ、海の向こうのトップ選手の話ですよ。僕らおじさんゴルファーが短尺にしたって、飛ばなくなるだけですって。そりゃ、多少は曲がらなくなるかもしれないけど」
中村「ティショットの目的は、飛ばすことじゃなくて2打目が打ちやすい場所にボールを置くことですよ。ま、ともかく一回試してみましょうよ」
F「えーっ、でも、シャフトを切るの嫌だなぁ」
中村「心配ご無用。Fさんが使ってるテーラーメイドの“M1”は、ドライバーと3番ウッドに同じシャフトを付けられるんです。3番ウッドのシャフトをドライバーにつけるだけで完成ですよ」
というわけで、試打を行ってみることに。場所は、東京・新小岩のパフォーマンスゴルフスタジオだ。まずは、ドライバーのシャフトで打ってみる。M1の2017年モデル、ロフトは10.5度だ。5球打った結果がこちらだ。
さすがM1、飛距離性能は高い(ちなみに、明らかなミスショットは除外しています)。芯を食った当たりは、240ヤード近く飛んだ。
それではいよいよ、とドライバーに3番ウッドのシャフトを装着する。やり方は簡単で、レンチでドライバーと3番ウッドのシャフトを外し、3番ウッドのシャフトをドライバーに装着するだけ。カンタンだ。
そして打ってみる。短尺効果はいかに!? と期待して見守る取材陣だったが、結果は測定不能レベルのミス連発。こりゃ企画倒れか!? と青ざめそうになった瞬間、プロゴルファーの中村修がこう言った。
「そりゃそうですよ。3番ウッドは短いぶんだけシャフトが重い。ドライバーのヘッドをそのままでは、軽すぎてバランスが悪いんです」
言われてみればその通り。基本的にゴルフクラブは、「短くなるほど、重くなる」のが基本。というわけで、バランスを整えるため、ドライバーのヘッドに10グラムほど鉛をべったりと貼って、再度テスト。今度は見違えるようにショットが安定した。その結果が以下。
平均飛距離、最長不倒ともに7、8ヤード弱落ちたが、その分左右の曲がりが少なくなり、ミート率も向上した(ミート率は最大で1.5)。なんというか、思ったよりも飛距離の減衰が少なかったという印象だ。
「いいですね。短くなった分、クラブの入射角がやや鋭角になり、そのことによって打ち出し角が下がっています。ヘッドスピードが減ったこともあり飛距離は少し落ちていますが、1ラウンド使い続けたら、フェアウェイキープ率が大きく良くなる可能性を秘めています」(中村)
たしかに。セッティングに余裕があれば、狭いホール専用のセカンドドライバーにするのもアリな気がするし、この程度の飛距離差ならば、こちらをエースにしちゃってもいいかもしれない。Fさん、そのあたりどうですか?
「うーん、それでもやっぱり一発の飛びは絶対的に落ちますよね? 飛ばしは男のロマンですから、やっぱり通常の長さでいこうと思います」(F)
アマチュアゴルファーへの飛びへの欲望恐るべし。しかし、「飛ばしよりスコア」という考えを持つことができる方には、検討に値する結果となった。ただし、試す際は、短尺にした分ヘッドを重くすることを忘れずに!
※2017年9月29日の記事を再掲
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