真っ直ぐ狙いのゴルフは、窮屈だ
「朝一番のティグラウンドに立ってフェアウェイを眺めたとき、皆さんはこれから打っていくボールを、どんなふうにイメージしているでしょうか?」
名著「LESSON」の冒頭で、岡本はまずゲームプランについてこのように書いている。
「たいていの人は自分の設定した目標地点に向かって、真っ直ぐに飛んでいくストレートボールを頭に描くのではないでしょうか」
岡本自身、どんな状況でもストレートボールが打てるようになるよう、必死に練習を重ねたという。真っ直ぐにさえ打てれば、ゴルフは恐るるに足らず。そんな「直線的な」ゴルフにとらわれていた、と岡本は述懐する。
真っ直ぐ打つより曲げるほうが簡単。ならば曲げて攻めればいいんだ
しかし、いつでも真っ直ぐ打てる保証はなく、真っ直ぐを狙ってミスしたときのショックは大きい。その考えは、ゴルフを窮屈にし、自分を追い込んでいくばかりだったという。そんなとき、岡本はヒントを得る。
「真っ直ぐ打とうとするから窮屈になる。攻略イメージにしても、真っ直ぐに攻めようとするからゴルフがむずかしくなる。だったら曲げて打てばいいじゃないか」
真っ直ぐを狙って曲がるのを恐れるゴルフから、真っ直ぐ打つよりもよほど簡単な、曲げるボールで攻めるゴルフへ、岡本はこの言葉をきっかけに、舵を切る。岡本は言う。
「曲がる」ボールに悩むだけでなく、「曲げる」楽しさを身につければ、ゴルフの幅も広がる。そのことを知ってもらいたいのです。
ソフトボール経験者の岡本が選んだ球筋はフェード。それはバッティングでいえばセンター返しのイメージだ。ヘッドを遅らせ気味におろし、センターへ打ち返すのがゴルフスウィングにはベスト。ボールにはほんの少しの右回転がかかり、理想のフェードになるという。
岡本がゴルフレッスン書の名著と名高い「LESSON!」を書いてから20年以上。ゴルフクラブは、当時に比べて大型化し、曲がらなくなった。それでもこの言葉は色あせない。「曲がるボール」を恐れずに、「曲げる楽しさ」を身につけよう。そうすれば、ゴルフはもっと、楽しくなる!
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