プレー再開は、雷が停止した20分後
「雷をなめたらあきませんって」
雷先生こと大阪大学名誉教授の河崎善一郎博士は声を大にしてゴルファーに呼びかけたいと言う。
「ゴロゴロッと鳴っていながら、まだ大丈夫なんてプレーを続けることは自殺行為に近いですよ。なぜなら、雷鳴の聞こえる範囲は10キロメートルで、落雷はその10キロメートル範囲のどこで起こりうるかわからないのですから。ましてや避雷針のような高いものの少ないゴルフ場は、落雷被害が多いんです」(河崎、以下同)
スポーツの中でも、ゴルフは特に注意が必要だが……。
「97年に茨城県のゴルフ場で起こった落雷事故が大きいですね。あのときは、太さ30センチの松の木の下で雨宿りをしていたキャディを含む3名が死亡し、2名が重症を負いました。木から1.7メートル離れていた人は死亡し、2.25メートルの人はケガで済みました。たった50センチの差が生死を分けたんです。やはり雷が鳴ったらすぐ建物内へ避難することをお薦めします。現在では、コース自体も雷対策を徹底していると聞いていますのでね」
一旦コースへ出てしまうと、途中でやめられないのがゴルファーの性。それでは、どういう判断でプレーを再開すればいいのだろう。
「コース側の判断に従うのが第一ですが、雷活動が停止してからおよそ20分以上経過してからであれば、屋外へ出ても大丈夫です」
カミナリから身を守るための基礎知識
意外と知らないカミナリについての正しい情報。いざという時のために、備えあれば憂いなし! 危険性を最小限にして、快適プレーと行こう。
コース内ではバンカー内が安全
開けた土地では、雷がどこに落ちるかの予測が難しいとされているが、比較的低い位置の身を潜めたほうが安全というデータがある。では、コース内で低いところといえば、バンカー内。身をかがめてやり過ごそう。
高い木の45度以内は比較的安全
高さ5~30メートルの物体を見上げる角度が45度以上で、およそ4メートル離れた地点が比較的安全とされている。
車種によってカート内はフェアウェイにいるより安全
「金属でできたかご」の中が雷のもっとも安全地帯とされているため、どこにも避難場所がないコースではフェアウェイにいるよりは比較的安全だが、プラスチックの天井のものは危ないので車種による。
ゴルフはいつがやめ時?
実は、ゴロッと聞こえたらすぐ避難。音は1秒で340メートル進むので、光ってから音が聞こえるまでの時間が短いほど雷雲は近いというが、雷雲はおよそ10キロの直径があり、雷鳴は10キロ先まで届くため、その存在に気づく前から雷射程圏内に入っているのだ。
これからの季節急な雷雨に襲われることが多くなる。雷に対する正しい知識を持ってプレーすれば、万が一の時も対処できる。スコアも大事だが、ケガなくプレーすることが一番だ。
(月刊ゴルフダイジェスト2007年9月号より抜粋)
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