2017年の「全米プロ」で、松山英樹と同組で回り、見事メジャー初優勝を遂げたジャスティン・トーマス。細身ながら300ヤードを余裕で超え、爆発的なスコアを叩きだすそのスウィングを、みんなのゴルフダイジェスト編集部のプロゴルファー・中村修が解説。

ボールから「遠く立つ」ことで遠心力をフルに使う

ジャスティン・トーマスは今年「59」のスコアを出すなど、爆発力のある選手。最終日は必ずしもいいショットばかりではありませんでしたが、抜群のパッティングでスコアメークに成功。高難易度のコースをねじ伏せるような、勝利に価するプレーを見せてくれました。

さて、そのスウィングを詳しく見ていきましょう。まず、アドレスでボールが遠い。よく、アドレスでは手元と体の距離は拳ひとつからふたつ分、なんて言いますが、JTの場合みっつ分くらい離れています。これは、クラブの遠心力を最大限に活かすための準備。細身ながら爆発的な飛距離を持つ理由のひとつが、このアドレスからも垣間見れます。

画像: アドレスでグリップエンドとおへその距離は拳3個分程度離れている。

アドレスでグリップエンドとおへその距離は拳3個分程度離れている。

テークバックでは、クラブを「立てて」使っています。クラブを立てるとは、クラブをインサイドに引き込まず前傾姿勢に沿って体の回転で上げること。極端に言えばパターの延長線上のようなイメージのスウィングで、インパクトゾーンが長くなり、打点が安定するというメリットがあります。現時点で世界ランク1位のダスティン・ジョンソンがその代表選手です。

クラブを立てて使うスウィングのポイントは、肩の回し方にあります。アドレスで前傾した背骨のラインに対して体を回転させるので、テークバックでは左肩が下がり、ダウンスウィングでは右肩が下るのが見てとれると思います。

画像: テークバックでは左肩が下がり、インパクトでは右肩が下がる。それにしてもダイナミックなスウィング!

テークバックでは左肩が下がり、インパクトでは右肩が下がる。それにしてもダイナミックなスウィング!

アマチュアゴルファーの方は、テークバックでクラブをインサイドに引いてしまう人が非常に多いのですが、そうするとテークバックでフェースが開きやすくなったり、手打ちになるなど様々なミスの要因となります。JTのスウィングを参考に、クラブを胸の前に保ちながら左肩を下げるようにテークバックするとクラブは自然と立つように上がりやすくなるので、ぜひ試していただきたいです。

見ての通り、ダウンスウィング以降は両足で大地を蹴り、地面反力を生かしてジャンプするように打つトーマス。正直、ダウンスウィング以降の動きはアマチュアゴルファーのみなさんが参考にするにはハードルが高い。

画像: 地面を踏みしめてジャンプするように”地面反力”を使って飛ばしている

地面を踏みしめてジャンプするように”地面反力”を使って飛ばしている

ただ、アドレスでのボールと自分との距離感。そして、クラブを立てて使うテークバック。その2点はアマチュアでも大いに参考にできる点。とくに、自分に合ったこの絶妙なボールとの距離を探すことはヘッドスピードとミート率を上げる上で非常に重要です。参考にしてみてください。

(撮影:姉崎正)

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