パターのロフトをよく知ることがパッティングにおいて重要
パターには古くからの慣習からロフトが4度ほど付けられており、現在、市販されているパターも3~4度ロフトが多い。これらのロフトは大抵の場合、若干のハンドファーストに構えることにより相殺され、結果として0~2度のロフトで打つことになるが、ハンドファーストが不十分だったり、打ち方や構え方の問題で、ロフトを生かしたままインパクトをするケースもあったりする。
ロフトが生かされた状態でインパクトした場合、インパクト直後にすぐ順回転とならずにスリップするなどの影響が出るのだが、ここではその話は置いておいて、構えた時のパターの「すわり(=ソール面のグラウンディング)」つまり、ライ角による影響について解説する。
わかりやすく、ロフトの大きいアイアンを例に解説すると、ライ角によるロフトの影響は以下の図1.2.3のとおりである。
図4(下)は実際にパターでトウをわずかに浮かせて構えると、どの程度フェースが左に向くかを示してみた。ロフト4度のパターで図のようにトウをわずかに浮かせて構えると、フェースがターゲットラインより少しだけ左を向く。
パットでヒールを浮かせて構えるプレーヤーは少ないが、トウを浮かせるアマチュアはわりと多い(プロでかつパットの名手なら藤田寛之や青木功などはトウを浮かせて構える)。このような原理を知らないと、トウを浮かせて構えた場合、当然左に引っかけやすくなるのである。
ちなみに欧米で強い選手はこのようにトウを浮かせて構える選手は殆どいない。ほぼパターのソールをきっちりグラウンディングさせ、ライ角に素直に構えを取っている。
このような構え方によるフェース向きの変化は、パターの場合アイアンと比べてフェースが左へ向く度合いが小さいから気づきにくい。しかし影響は大である。そこで、誰でも簡単に自分でライ角をチェックする方法について、図5~7でご紹介しよう。
テープを見えなくするようにこだわって構えるのも一手だが、自分が構えやすいように構えてみて、そこから見えるテープの度合いを覚えておき、いつも同じように構えられているかチェックするのもひとつの方法。
自分の構えを見直す機会、ぜひともテープを張って確認してほしい。