尾崎将司はその後プロ野球入り。弟の健夫もヤクルトにドラフト3位で指名された
今でこそ小・中学生からゴルフを始め、ゴルフ部で実績を積んでそのままプロ入りするゴルファーが増えたが、一昔前まで、プロゴルファーには野球経験者が非常に多かった。
甲子園出場経験者の前に、まずはハードルを下げて野球経験者の名前を数え上げれば、青木功、谷口徹、藤田寛之、宮本勝昌、横尾要、高山忠洋、河井博大、小田龍一、竹谷佳孝、松村道央、岩田寛、塚田陽亮らそうそうたる顔ぶれが並ぶ。
青木功は中学時代野球部で抑え投手だったが、中学最後の試合でサヨナラ負けを喫し、悔しさからユニフォームとグラブを燃やして野球をやめたという豪快な逸話が残る。谷口徹はPL学園時代、桑田真澄、清原和博のKKコンビと同じクラスだった(谷口はゴルフ部)。
さて、本題に戻って甲子園経験のあるプロゴルファーの代表格といえば、ジャンボこと尾崎将司をおいて他にいない。「経験がある」どころか徳島県立海南高校のエースとして1964年のセンバツを制した甲子園優勝投手であり、翌1965年にはプロ野球・西鉄ライオンズに投手として入団を果たしている。
ちなみに、実弟の尾崎健夫も同じ海南高校のエースとして活躍し、ヤクルトにドラフト3位で指名されるほどの選手だったが、甲子園出場経験はない。
甲子園出場経験のあるプロゴルファーは、なぜか「春夏連続出場」しているケースが多く、シニアツアーで活躍する渡辺司は東京・日大一高時代の1973年に、春夏連続で投手として出場している。また、テレビでおなじみの北村晴夫弁護士の長男である北村晃一も、神奈川の桐光学園時代の2002年に春夏連続出場。ティーチングプロの桑田泉に至っては、PL学園時代に春・夏連続優勝の偉業を成し遂げているから驚き。
今年の甲子園を沸かせた球児たちの中にも、未来のプロゴルファーがいる……のかもしれない。