ギア好きなら誰もが知っている。その名はキャロウェイ「Xフォージド」
深堀がキャロウェイのツアー担当に調整を依頼していたのは、まだカタログに載っていないどころか、公式発表すらされていないアイアン。取材を快諾してくれた深堀に話を聞いてみた。
このアイアンですか? 「キャロウェイの新しいXフォージドです。僕もつい最近テストを開始したばかりなんですよ」と、深堀。Xフォージド!? それは聞き捨てならない名称だ。
Xフォージド。ゴルフギアが好きな人であれば、この名前には思わずピクッと反応してしまうはず。名匠ロジャー・クリーブランドが設計し、2007年に発売された初代Xフォージドは、キャロウェイとしては珍しい軟鉄鍛造の小ぶりヘッドで、そのシャープな形状と打感の良さ、そして扱いやすさが人気となった、名器と名高いアイアンだ。
Xフォージドと名のつくクラブはその後2年に1回モデルチェンジを繰り返し、2009年、2011年(RAZR Xフォージド)、2013年と4代目まで続いて、ここで小休止。今回、4年ぶりにリニューアルされたことになる。いわば今回で“5代目”。そのアイアンを構えた時の印象を、深堀はこう語る。
「以前のXフォージドに比べて、顔が大きくなりましたね。でも“重い”感じはなくて、すっきり感は残しつつ、安心感がプラスされました」(深堀)
そして、構えたときの安心感そのままにやさしく打っていけるアイアンだという。
「まずは打感と抜けの良さですよね。ソールのバウンスの効果だと思うのですが、打感と抜けが良くて、まったく難しさを感じません。インパクトの直後、今までの目線よりも上にボールが打ち出されていくから、上げにいくような動きが入りません。もう一球、もう一球と打ちたくなるようなアイアンですね。テストしてすぐに使いたかったんですが、なかなかもらえなくて(笑)。ようやく手に入れることができました」(深堀)
プロらしく、深堀が評価したのはソールのバウンス。芝と接触するポイントであるバウンスの形状がいいから、抜けが良く、打感も良いのだという。抜けの良さはプロにとって飛距離を揃える上で非常に重要なポイント。深堀はこの部分を高く評価するからこそ、一目でこのクラブを気に入ったのだという。
「左へのミスが出ないのがいい」(重永亜斗夢)
若手の重永亜斗夢もこのアイアンを絶賛する一人。
「メチャクチャいいです! 安心感があるし、抜けが良くてつかまるし、打感もいいから気持ち良く打てます。ヘッドが大きくなった分、ヘッドの返り過ぎが抑えられたのもいい。ミスをすると左に引っかける自分にとって、そのミスも出ないし、最高のアイアンだと思います」(重永)
深堀、重永が共通してあげたのが、やはり打感の良さ。これは、歴代のXフォージドがシリーズを通じて常に評価されてきた部分でもある。
最後にXフォージドが世に出た2013年から2017年までの時代は、アイアンが「飛び」に特化する一方で、かつてXフォージドが先駆者だった、「シャープでカッコいいけど打つとやさしい鍛造キャビティアイアン」というジャンルが台頭した時代でもあった。
プロをも魅了する思わずバッグに入れたくなる所有感と、抜けの良さ、打感の良さ、上がりやすさといったたしかな機能。まだメーカーからの公式発表前ではあるが、大人気の鍛キャビ市場に、真打が登場と言ってよさそうだ。