2017年9月15日、ミズノのニューアイアンであるミズノプロ118、ミズノプロ518、ミズノプロ918が発売された。発売前から予約注文が殺到しているというこのアイアンに、なぜ僕らは魅了されてしまうのか。日本アイアン史を語る上で欠かせない存在となりそうなこの3モデルを、じっくり眺めてみたら、細部にまで“意志”が宿る、ジャパンブランドならでの丁寧なモノ作りが見えてきた!

日本人が構えたときに、もっとも美しく感じるようデザインされている

次、ゴルフショップに足を運んだら、まずはミズノの新しいアイアン、ミズノプロの3モデルを手に取ってもらいたい。ある程度ゴルフを知っている人ならば、そのカッコ良さに程度の大小はあれど、衝撃を受けずにはいられないはずだ。

画像: 左からキャビティバックのミズノプロ918、マッスルバックのミズノプロ118、チタンマッスルのミズノプロ518

左からキャビティバックのミズノプロ918、マッスルバックのミズノプロ118、チタンマッスルのミズノプロ518

アイアン。直訳すれば「鉄」。その名の通り、元は軟鉄の塊に過ぎない。それが意志を持って曲げられ、叩かれ、削られ、磨き上げられることで、ほとんど色気と呼びたくなるほどの魅力を帯びる。ミズノのアイアンだけが持つこの魅力は、一体どこから来るのだろうか。それを知りたくて、改めてミズノプロの3モデルを取り寄せ、じっくりと眺めてみた。

まず考えたいのは、ミズノの「顔の良さ」だ。まずは、3モデルを並べてみよう。まるで美術館で印象的な絵画の前で足が止まるように、ついじっくり眺めたくなるはずだ。

画像: 左から、118、518、918

左から、118、518、918

一目見て分かるのは、3モデルが非常に“似ている”という点だ。トップブレードは左から右にいくにつれて厚くなり、ネックのグース度合いも強くなっていく。実際、118と918を比べれば、まったく違うクラブに見えるだろう。しかし、間に518を挟むことで、誰もがこの3モデルが、“ミズノプロ”というひとつのブランドで統一されることに納得がいくはずだ。

「特に共通しているのが、ネックからフェースへのつながり、俗に言う“フトコロ”の部分です。ここは、円柱状のネックを板状のフェースにつなげる、もっとも重要な部分ですが、ご覧の通りの見事な出来となっています。球のつかまりの良さを予感させ、ボールを包み込むような安心感がある。ヘッドの高さや長さは異なりますが、この部分には『これがミズノプロだ』という意志を感じさせます」

そう語るのは、今回のミズノプロ3モデルを発表前からいち早く試打し、一貫して高く評価してきたプロゴルファーの中村修。

「ミズノプロが“いい顔”なのには、もうひとつ、スペック的な裏付けもあります。ミズノプロの7番アイアンは、すべてのモデルのライ角が『61.5度』に設定されている。海外ブランドのアイアンだと、身長が高く手足の長い外国人ゴルファーに合わせ、ライ角は63度前後が多いのですが、ミズノの場合“日本人が構えることを前提としている”からこそのライ角設定です。つまり、ミズノプロは日本人が構えたときに、もっとも美しく感じるようデザインされているわけです」(中村)

僕らがミズノプロのアイアンを見て美しいと感じるのには、ちゃんとした理由と裏付けがあるというわけだ。さて、ここまでで前置きは終わり。ここからは、3モデルそれぞれの特徴をじっくりと把握していこう。

“ミズノのマッスルバック”の最新形にして完成形「ミズノプロ118」

まずはミズノプロ118から眺めていこう。ミズノのマッスルバック。その人気は日本にとどまらず、特に欧州ではその打感と形状美が神秘的なまでの受け取られ方をしている、ミズノのアイコンだ。

画像: ミズノプロ118。ミズノといえばマッスルバック。その最新形にして、完成形だ

ミズノプロ118。ミズノといえばマッスルバック。その最新形にして、完成形だ

ミズノのアイアンといえば、金属の組織の流れが途切れない、それがゆえに打感が良い「グレインフローフォージド製法」が特徴。そして、このアイアンの、角ばっているわけでもなく、かといって丸っこいわけでもない形状は、まるでその鍛流線の流れそのものをカタチにしたかのようだ。中村は語る。

「一言でいえば、どこにも妥協した後が見当たらない。そんなアイアンだと言えます。トップブレードはあくまでも薄く、ヘッドは小ぶりで、ソールは薄い。決してやさしい、誰でも打てるアイアンではありません。しかし、トップブレードが薄いからこそバックフェース下部は肉厚で、打感は抜群。ヘッドは小ぶりな分操作性は抜群で、ソールが薄い分抜けがいい。やさしさを求める上でのデメリットが、アイアンでボールを操る喜びを感じる上では、すべてメリットへと逆転するんです」

画像: まるで日本刀のようなシャープさを感じさせる曲線美

まるで日本刀のようなシャープさを感じさせる曲線美

そうはいっても、打つと意外なやさしさを感じられもするのがこのアイアンのいいところ。昔のマッスルバックはネックが長く、その分だけ高重心だった。しかし、上の写真を見ればわかる通り、このアイアンのネックは必ずしも長くない。つまりその分だけ低重心になっており、ボールが上がりやすくなっているわけだ。

画像: ソールは薄い。薄いがゆえにライを選ばない抜けの良さは抜群だ

ソールは薄い。薄いがゆえにライを選ばない抜けの良さは抜群だ

「今、必ずしもアイアンはダウンブローに打ち込む必要がないクラブになりつつあります。しかし、このミズノプロ118は、ある程度ダウンブローに打っときに性能が最大限発揮されるクラブ。ボールを潰す打感の気持ち良さ、芝を削り取る抜けの良さといった、フォージドアイアンでゴルフボールを打ったときにしか感じられない快感を得るために、もっとも適した道具です」(中村)

日本のアイアン三代名器のひとつなどと俗に呼ばれるミズノの「TN-87」の流れを汲む形状。そして、現代的にリファインされた打ちやすさ。国産マッスルバックの到達点と言って間違いのない仕上がりとなっている。

マッスルのシャープさと、キャビティのやさしさ両方がある「ミズノプロ518」

続いてはミズノプロ518。世界NO.1にまで上り詰めたルーク・ドナルドが監修・使用したことで大人気となった名器「MP-59」アイアンにも採用された、ミズノならではのチタンマッスル製法のモデルだ。

画像: バックフェース下部にチタン、ソールトウ側にタングステンを配した、“チタンマッスル”アイアン、それがミズノプロ518

バックフェース下部にチタン、ソールトウ側にタングステンを配した、“チタンマッスル”アイアン、それがミズノプロ518

「見た目はマッスルバック。打つとやさしいという、実に現代的な高機能アイアンだと言えます。バックフェース下部に軟鉄に比べて軽いチタンを配することで打感の良さを保ちつつ、浮いた分の重量は18グラムのタングステンウェートをソールのトウ側に配している。考えに考え抜かれていることが、形状から伝わってくるアイアンです」(中村)

画像: 形状的にはマッスルバックの118と共通点が多い。違うのは“中身”だ

形状的にはマッスルバックの118と共通点が多い。違うのは“中身”だ

たとえばドライバーでは、チタンを極限まで薄くしたり、ボディの一部をカーボンにするなどして軽量化を図り、そうして生まれた余剰重量を最適に配分することで、低重心化・深重心化させることが常識となっている。このミズノプロ518は、いわばそのアイアンバージョン。ミズノのマッスルバックの顔つきで、キャビティバックのやさしさという、夢のような機能が実現してしまっている。

画像: トウ側に配された18グラムのタングステンウェートが、ヘッドの直進安定性を生んでいる

トウ側に配された18グラムのタングステンウェートが、ヘッドの直進安定性を生んでいる

「やさしくしようと思ったら、大型キャビティ化すればいい。それはミズノプロ918で実現しています。それに対してこの518は、あくまで小ぶりヘッドでどこまでやさしくできるかに挑んだモデル。バックフェースを軽量化したことで生まれた重量を周辺に配することで、118がブレードタイプのパターなら、この518はマレット型のパターのような直進安定性を得ています。やさしさとカッコ良さ、二兎を追って二兎とも得たような、ミズノらしい妥協のないプロダクトです」(中村)

大型キャビティながら、たしかに“ミズノプロ”の魂がある。「ミズノプロ918」

「ミズノプロというブランドが蘇る。そして、その中核には3モデルのアイアンがある。そう聞いて、初めて実物を見たときに、なぜこの大型キャビティが、“ミズノプロ”なのだろうと最初は思いましたが、試打を繰り返すうちに、これは間違いなく“ミズノプロ”だと確信が持てた。それが、このミズノプロ918です」

そう中村が語るこのクラブ。見ての通りのアンダーカットキャビティアイアンだ。そして、このアイアン、驚くべきことに118、518と同じく軟鉄鍛造。つまりフォージドアイアンなのである。

画像: キャビティ部分が深くえぐられたアンダーカット製法。バックフェースに施された細かいミーリング。これだけ複雑な形状でありながら、なんと軟鉄鍛造!

キャビティ部分が深くえぐられたアンダーカット製法。バックフェースに施された細かいミーリング。これだけ複雑な形状でありながら、なんと軟鉄鍛造!

「軟鉄鍛造の一体成型である。まさにそのことが、このアイアンが“ミズノプロ”であることの理由だと私は思います。正直、キャスト(鋳造)で作ったほうがはるかに安価で製造できるでしょうし、技術的に超えなくてはならないハードルの数も少ないと思います。しかし、それだとどうしても失われてしまうものがあるのです」(中村)

軟鉄鍛造一体成型でなければ失われてしまうもの。お分かりだろうか。正解は「打感」だ。一言で“軟鉄鍛造”と言っても、ネックとボディを別々に作るケースもある。しかし、それを溶接した場合、どうしても打感は悪くなる。前述したようにミズノプロのアイアンはすべて「グレインフローフォージド製法」。金属の組織の流れ“鍛流線”が途切れないためには、どうしても一体成型である必要があるわけだ。

画像: ソールはワイドでやさしさを感じさせる。フェースも、他の2モデルに比べると1.5回りくらい大きい

ソールはワイドでやさしさを感じさせる。フェースも、他の2モデルに比べると1.5回りくらい大きい

マッスルバックの118やマッスルバックに異素材を複合した518ならわかる。それを、大型キャビティで、非常に複雑な構造を持つ918でも“やってしまう”ところにミズノがミズノたるゆえんがある。やると言ったらやる。言い方は悪いが昭和のオヤジのような頑固さでもって、実現してしまう。

画像: ワイドソールながら、トレーリングエッジ側には絶妙なラウンドが施されている。これが抜けの良さにつながる

ワイドソールながら、トレーリングエッジ側には絶妙なラウンドが施されている。これが抜けの良さにつながる

もうひとつ、注目すべきはソール面だ。

「写真をよく見てください。ソール後方のトレーリングエッジが面取りされているのがわかるでしょうか。トレーリングエッジは、インパクトの後に地面に当たる部分。つまり、アイアンの“抜け”に大きく影響する部分です。ここを落としてあげることで、やさしいワイドソールでありながら、抜けの良さも担保している。顔の良さ・打感の良さだけじゃなく、抜けの良さもまた、“ミズノプロ”の条件である。まるで高らかに宣言しているかのようです」(中村)
打感の良さ・顔の良さ・抜けの良さ。ほかに必要なものがありますか?

通常、この手の記事では、3モデルそれぞれにどんなタイプのゴルファーに最適だとか、タイプ別診断だとか、そういったことを書くのだが、ミズノプロの場合そんなことは書くだけ野暮だ。というのも、購入はフィッティングを受けるのが前提。自分にどれが合うかわからなくても、ミズノが開発した診断システムにより、たった3球ボールを打つだけで、どのアイアンが自分に合うかを提案してもらえる仕組みとなっている。

そして、それ以上に、今回のミズノプロ3モデルはどれを選んでも正解だということが言える。ミズノプロ118を選べば、比類ない打感の良さが得られる。コースで一発ナイスショットが出るだけで、その余韻が翌日まで続くような快感は、おそらくこのアイアンでしか得られない。

画像: その打感と抜けの良さは、他のアイアンでは味わえないものだ

その打感と抜けの良さは、他のアイアンでは味わえないものだ

ミズノプロ518を選べば、マッスルのシャープさと、キャビティのやさしさ、両方を得ることができる。その圧倒的なデザイン性は、キャディバッグに入っているだけで、ゴルファーの所有欲を大いに満たしてくれるだろう。

画像: シャープな形状と、使いやすさの両立。カッコよさも特筆ものだ

シャープな形状と、使いやすさの両立。カッコよさも特筆ものだ

そしてミズノプロ918を選べば、手に入るのはまずプラス1番手の飛びだ。7番のロフト26度が“当たり前”になりそうな現代にあって、7番で31度。適度に飛び、破格に扱いやすい、スコアアップに直結するアイアンと言える。

画像: これだけ複雑な形状でありながら、軟鉄鍛造一体成型。やさしさと飛距離性能は言うまでもなく高い

これだけ複雑な形状でありながら、軟鉄鍛造一体成型。やさしさと飛距離性能は言うまでもなく高い

打感の良さ・顔の良さ・抜けの良さ。アイアンに必要なのはその3つ。他に必要なものは、なにかある? ミズノプロ3モデルは、僕らゴルファーにそう問いかけてくる。そんな風に問いかけてくるアイアンは、そう多くはないはずだ。

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