どこを探してもゆるみがない!
畑岡選手と言えば、2016年の日本女子オープンを制したキレのあるアイアンショットが印象的ですが、今大会でも2日目は64、3日目65と両日とも8個のバーディを奪う圧巻の追い上げを見せました。また、3日間の平均飛距離は251ヤードで全体の4位と飛距離も持ち合わせています。
その秘密は、スウィング中のゆるみのなさにあります。ゆるみがないとは、両わきがしっかりと締まり、体の回転量と腕の運動量が比例していること。写真1をご覧ください。アドレスでは腕を内側に絞るように両わきを締め、スウィング中ずっとその締まった感じが保たれています。
これは、「体を使った分だけ飛ばせる」スウィングだといえます。とにかく腕やクラブを振ってヘッドスピードを上げるんだ! というスウィングではないため、縦の距離のコントロールがしやすいのがその特徴で、ピンをデッドに攻められるのは、このスウィングあればこそ。
それでは飛ばないのでは? と思いきや、前述のようにドライバーも飛んでいます。これは、ドライバーのときは思いっきり体を使っているということの表れ。体をフルに使っても腕が振り遅れたりせずに、いわゆる体の正面にキープされることで飛距離と方向性が高まります。これを言ったら解説もなにもないのですが、体と腕を同調させて振ることは、プロなら誰でも心がけていること。畑岡選手の場合、その精度が非常に高く、それが爆発力につながっています。
アマチュアのみなさんの参考になる点は、ズバリ、アドレスです。アドレスで腕を内側に絞るように両わきを締めると、胸の筋肉(大胸筋)に適度に力が入ります。そうすると、ひじから先は力が抜け、クラブヘッドの加速を妨げずに大きな飛距離につながります。グリップを強く握りすぎてしまう人などは、一度試してみるといいと思います。
今季は米女子ツアーに挑戦するも結果を残せず、この秋の予選会(QT、クオリファイング・トーナメント)を再度受けることに。今回優勝したことで来季の米女子ツアーのQTにも自信を持って臨むことができますので、来季は日米両女子ツアーで活躍してくれそうです。
写真/大澤進二