ルール内ギリギリの溝加工
写真をご覧いただくと一目瞭然。一番左の画像は旧溝いわゆる角溝で、溝の幅が明らかに広く、エッジも立っている。それに対して、真ん中はメッキ仕上げのノーマルウェッジ、一番右がプロ仕様の溝チューンを施したスペシャルウェッジだ。
角溝とほかふたつの違いは一目瞭然だが、真ん中のノーマル溝と、右の加工溝は一見それほど変化がないように見える。それもそのはず、ルールに抵触しないよう、溝の形状や幅は一切いじらずに、溝の「深さ」だけを1/1000mmという超精度で加工しているというのだ。
「2010年に角溝からルール適合の新溝に変わったときは、“こんなに違うのか!”と衝撃を受けました。ラフからのショットでの止まり具合がまったく変わってしまいましたから。大きいショットでも、小さいショットでも、スピンはまったく違いました」
とは今回試打を担当したプロゴルファー・中村修の弁。彼も、“溝加工チューン”に多いに注目しているゴルファーの一人だ。
アプローチでのスピン性能比較! ラフからのスピン量に大きな差があらわれた
さて、実際に打ち比べてみた。
「溝加工ウェッジのスピンは、角溝にも負けていませんでした。グリーンに落ちてから、2バウンド目にギュっと芝を噛み、3バウンド目にはしっかりと止まる。ボールとの相性もありますが、ウレタンカバーのプロ使用ボールであればそのスピン性能をしっかり感じられるはず。加工していないノーマル溝のウェッジとの差は歴然です」(中村)
中村が溝加工ウェッジとノーマル溝のウェッジを比べて、一番の違いを感じたのはラフからのアプローチだという。
「ラフからはボールとフェースの間に芝が挟まることでスピン量が落ちます。角溝から新溝に変わって、一番変化したのがこのラフからのアプローチのスピン量でしたが、溝加工ウェッジは、角溝のようにフェースとの間に芝があってもボールに食いつくような感触が感じられました。実際にグリーンに落ちてからの転がりもノーマル溝よりも少なく、落とし場所の計算がしやすかった。これは、実戦で効果が体感できるチューンナップですね」(中村)
上は、角溝、ノーマル溝、溝加工チューンの三つのウェッジのスピン量と“止まり方”を比較したもの。溝加工ウェッジがルール違反の角溝ウェッジに迫るほどのスピン量を獲得していることがよくわかるはず。とくに、ラフからのショットでのスピン量は目をみはるほどのものだ。ピンの上に着くか、下に着くかは、ウェッジの溝性能に負う部分も大きいということが、この実験結果からはわかる。
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