低スピン高弾道で287.7Yを記録
コースに持ち込んだのロフト10.5度、純正TG1-5シャフトのフレックスSを装着した「ツアーB JGR」ドライバー。総重量295グラムで、バランスD2だ。試打者はプロゴルファー・中村修。
早速フライトスコープで計測したデータを見てみよう。ヘッドスピード46.4m/s、打ち出し角12.6度で放たれたボールはスピン量2469回転/分でトータル飛距離287.7ヤードと数値的にはかなりの好結果。高さも28.4メートルと十分で高打出し低スピンの理想的な数値を叩きだした。
「計測して最大の驚きはスピン量。ヘッドスピード46m/sでロフト10.5度を打ったにもかかわらず、スピン量は2500回転を切っている。これはかなりの低スピンです。そのため、キャリー、ランともに想像以上に出ている。売れる理由がわかります」(中村)
また、スピン量の少なさに関しては、ネックの長さにも注目してほしいと中村は言う。
「ネックの長さは重心の位置に直結します。短かくすればその分の余剰重量を配分することで低重心にしたり、深重心や、つかまりをよくする重心アングルにしたりできます。今回のJGRはネックが短い。それにより低重心化することで、より低スピンの弾道が打ちやすくなっているのです」
ソールの剛性を高めつつクラウンを極薄に設計することでたわみ量を増し、ボール初速をアップさせているというが、実際に打ってみて感じるのは打感の良さだ。
「打感が柔らかい割には弾く印象を受けました。打音も弾き感のある心地よい金属音でいいですね」(中村)
アップライトに見えない工夫
前作ではつかまりをよくするためにアップライトな設計になっていたが、新モデルでは構えた感じアップライトに感じない。フェース向きもほとんどフックフェースに見えない。
「非常にオーソドックスな丸型形状をしています。まったく違和感がなく構えられます。フェースの見え方も左を向いているようにはまったく見えず、上級者でも問題なく使えます。片岡大育がこれを使って勝ちましたが、それもうなずけますね」(中村)
新しくなった「JGRドライバー」は、飛距離モンスターの名に恥じぬ飛距離性能を兼ね備えていたようだ。ヘッドスピードやスウィング軌道に合わせてロフトとウェートを選べるから、自分のスウィングにベストマッチのスペックを探せるはず。このクラブ試打してみる価値大いにありそうだ。
(写真/小林司 撮影協力/佐倉カントリー倶楽部)