「7」「8」「10」。女子プロたちも時にバンカーで“大叩き”を喫する
2017年の女子ツアー“バンカー事件簿”といえば、真っ先に思い浮かぶのは9月にゴルフ5カントリーオークビレッヂで開催されたゴルフ5レディス。17番パー3の「日本一あごの高いバンカー」で、最終日に川満陽香理が「7」、香妻琴乃が「8」を叩いたことがテレビ中継されたことが話題となった。
続いての事件簿は10月に名門・我孫子GCを舞台に開催された日本女子オープン。2日目に葭葉ルミが7番パー4のガードバンカーにつかまると、脱出に4打を費やしそのホールのスコアは「10」。それが響いて予選落ちを喫するということがあった。
バンカーからの脱出に複数打を要するのは、アマチュアならばお手の物(?)だが、プロでもバンカーの“規模”が大きければ、まるでアマチュアゴルファーのようにバンカーから出られないという悪夢に見舞われることを、ある種の親近感とともに痛感したゴルファーも少なくないのではないだろうか。
さて、そして今週の女子ツアー「富士通レディース」の会場は、千葉県の東急セブンハンドレッドクラブ・西コース。そこにも、“事件現場”となりそうなバンカーが存在する。それが18番のガードバンカー。アゴがほぼ垂直に切り立った、名物バンカーがそれだ。
2016年の同大会では、優勝争いを繰り広げていた笠りつ子がこのバンカーにつかまったことでトリプルボギーを叩いている。10年前の2007年には、その年賞金女王に輝いた上田桃子がやはり優勝争い真っ最中につかまって勝利を逃し、悔し涙を目に浮かべるという場面もあった。
このように、過去にも“事件”を起こしているこのバンカー。練習日には、ここが勝負のキモとなることを見越した鈴木愛が、最終日のピン位置を想定し、万が一バンカーにつかまった時に備えて練習を繰り返している姿が見られた。
プロなんだから、バンカーくらい避けられるだろうと思うかもしれないが、最終日の勝つか負けるかの土壇場では、一筋違えばバンカーにつかまることも覚悟の上で、バーディを獲るためにピンを狙わなくてはいけない場面も多くある。
チャンスとピンチが紙一重なのがトーナメントゴルフの醍醐味。今年の富士通レディースも、名物バンカーがドラマを巻き起こすのだろうか。楽しみにしたい。