2017年の「ブリヂストンオープン」にホストプロとして出場する世界ランク12位のマット・クーチャー。現地で練習ラウンドを見たプロゴルファー・中村修は、「これはアマチュアゴルファーのお手本になる!」と大興奮。その理由は!?

すべてのゴルファーが参考にすべき

「とにかく、フェアウェイから全然打たないんですよ。ティショットがフェアウェイに行ったとしても、わざわざラフにボールを転がし入れて、そこから練習しているんです」(中村)

プロゴルファー・中村修がブリヂストンオープンの会場で見た、マット・クーチャーの練習ラウンド。クーチャーはひたすらラフから練習していた。中村は、「これこそが、アマチュア、いや、私を含めたすべてのゴルファーが上達するために参考にすべき姿勢だ」と語る。

「国内男子ツアー選手の練習ラウンドでは、多くの場合、仮にティショットがラフに入っても、フェアウェイに戻してショットを練習する場合が多いんです。そうすることで実戦で使う番手を確認し、スウィングのチェックも同時に行うわけです。ところが、クーチャーの場合は、このコースのラフから打ったら、ボールはどんな飛び方をするのか? 思ったより飛ぶのか、飛ばないのか? そこを番手を変えながら細かく確認していました。

画像: 「ブリヂストンオープン」の練習ラウンドでラフからのショットを練習するマット・クーチャー

「ブリヂストンオープン」の練習ラウンドでラフからのショットを練習するマット・クーチャー

グリーン周りのアプローチ練習も、ラフからの練習がほとんどで、エッジから近いピンと、遠いピンを狙いながら、番手を変え、時にはラフからUTでアプローチする練習もしていました」(中村)

ドライバーショットをフェアウェイに置き、グリーンを狙うのが理想であることはプロもアマチュアも変わりない。しかし、フェアウェイをキープしたホールでバーディ、もしくはパーを獲ることよりも、ティショットがラフに入ったホールでボギー(アマチュアの場合はダブルボギー以上)を打たないことこそ、スコアメークにおいては重要なんだと中村は強調する。

つまり、クーチャーの練習は、スコアを守ることを主眼に置いているというわけだ。「狙ってバーディは獲れないが、ボギーを防ぐことはできる」とよく言われる。世界ランク12位の実力者ながら、クーチャーが追い求めるのは“理想”ではなく“基本”。スコアを崩さずセーブすることが勝利の決め手となりやすい全英オープンで2位という結果を残す背景には、このような準備があったのだ。

自分の飛距離でゴルフをする

「クーチャーのヘッドスピードは47m/s前後と決して飛ばし屋ではありません。でも7月の全英オープンでは2位、世界ランク12位と世界のトップランカーの座を譲りません。自分のプレースタイルを知っているからこそ、ボギーを少なくし、チャンスを生かすマネジメントを貫いているのでしょう」

このようなクーチャーのしぶとくスコアをセーブするプレースタイルは、アマチュアゴルファーでも自分のゴルフに取り入れることが可能だと中村は言う。

「スコアをセーブするために大切なのが、自分の飛距離でゴルフをするということです。つまり、目一杯のクラブを持って振り回すようなことはせずに、余裕を持った番手選びをするということ。簡単に言えば、150ヤードを7番のフルショットでギリギリ届く人ならば、6番を持って8割で打ちましょうということ。とくにラフからのショットでは力みがミスに直結しますから、普段から力まない番手を持つクセをつけておくと、ミスの数が途端に減らせると思います」(中村)

アイアンだろうがユーティリティだろうが、マックスの飛距離でピンを狙ってしまうのがアマチュアゴルファーの性。でも次のラウンドはクーチャーのスタイルを参考に、パーやバーディを狙うゴルフではなく、ボギーやダボを叩かないゴルフで、ベストスコア更新を狙ってみるのもアリかもしれない。

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