シャローな軌道でピンをデッドに狙う
吉田洋一郎(以下、吉田):バッグには2本のハイブリッドが入っていますね。
マット・クーチャー(以下、クーチャー):コースで頻繁に使うよ。17度で230ヤード、20度で215ヤードがフルショットしたときの距離だね。
吉田:クーチャー選手といえば、ハイブリッドの名手という印象が強いのですが、上手に打ちこなすためのコツは?
クーチャー:インパクトゾーンでヘッドを真っすぐ動かす。ボクが考えているのはこれだけ。
「上から打ち込まず横から払い打てばピンをデッドに狙えるんだ」(クーチャー)
吉田:あなたのコーチをしているクリス・オコネルに聞いたら、体のターンを中心にスウィングしていると言っていましたが。
クーチャー:手を使う意識はないし、フェースローテーションも抑えているんだ。そのほうがヘッドの軌道がゆるやかになって、横からボールをとらえられる。インパクトゾーンでヘッドが真っすぐ動くから、パワーも伝わるし、方向性もよくなる。だから、ハイブリッドでも、ピンをデッドに狙えるんだよ。
横から打ったほうがヘッドがストレートに動く
と、ハイブリッド打ちこなしのコツを「横から払い打つことだ」と教えてくれたクーチャー。ここからは、そのためのコツをまとめて紹介。
横からゆるやかにヘッドを入れる
ヘッドを上から打ち込むのではなく、「横からシャローに入れていくイメージ」だとクーチャー。ゆるやかな軌道でボールをとらえることで、インパクトが点ではなくゾーンになる。だから飛距離と正確性が両立できる。

「横から払うように打っているよ」(マット・クーチャー)
横から入れるので打点はやや高め
横から払うようにヘッドを入れながら、やや高めの打点でとらえられるのが、名手の名手たるゆえん。
「フェースのややヒール寄りで打つことで、自在にボールをコントロールしています」(吉田)

少しヒール寄りの高めがクーチャーの打点
インパクトゾーンでヘッドを真っすぐ動かす
「体の動きのことはあまり考えず、インパクトゾーンでヘッドを真っすぐことだけを意識している」(クーチャー)
体ではなく、主役のクラブヘッドをどう振るかに意識を集中して振るのが、ナイスショットのコツだ。

ヘッドの動きに意識を集中
この記事は、発売中の週刊ゴルフダイジェスト2017年11/14号の特集「マット・クーチャー“世界基準”のUTワーク」の一部を抜粋。2010年にPGAツアーで賞金王になった経験があるマット・クーチャーから日本のアマチュアゴルファーにUTの打ち方を伝授してくれている。続きは本誌でチェックしよう。
写真/増田保雄