トーナメント中継を見ていると、バンカーショットを終えた後のプロゴルファーがシューズをクラブでトントンと叩いているのをよく見る。プロらしくてちょっとカッコいい仕草だが、あれってなんのためにやってるの?
「靴についた砂を落とすため」だけではなかった!
複数のプロゴルファーに、「バンカーの後、シューズをクラブでトントンするのはなんのため?」と質問してみた。正直、「靴についた砂を落とすため」という答えが返ってくるものだと思っていたが、プロたちが口を揃えたのは、違う答えだった。
正解は「グリーン上に砂を上げないため」。バンカーショットをしたままのシューズでグリーン上に上がると、スパイクについた砂がグリーン上に落ちる。そうすると、その砂がパッティングに微妙な影響を与えてしまい、後続のプレーヤーに迷惑がかかる。
つまり、プロの“シューズトントン”は「自分のシューズから砂を落とす」ためだけでなく、「後続のプレーヤーに迷惑をかけない」ためにやる行為だったのだ。ちなみにやり方は、ウェッジのヘッドでまず左足の内側を叩き、次いで右足の外側を叩くのが一般的。シューズの裏にクラブを当てるのではなく、シューズの側面を叩いた衝撃で砂を落とすイメージだ。
ただ一つご注意。取材を終え、記者がさっそく真似してみようとクラブを左足、右足の順でシューズに叩きつけたところ、右足を叩いたタイミングで操作を誤り、クラブがくるぶしを強打。しばし悶絶する結果となった。慣れないうちは、怪我に十分に注意して、ゆっくりやるのがオススメだ。
写真:姉崎正 撮影協力:アクアラインゴルフクラブ