黄金世代の台頭、ベテラン勢の逆襲
来季のツアー出場をかけて争われるファイナルQTが兵庫県の有馬CCで11月28日(火)から12月1日(金)までの4日間行われた。あくまで目安だが、ファイナルQTでおおよそ35位前後に入ることができれば、2018年シーズン前半の試合に出場が可能。
今年は原江里菜や松森彩夏、金田久美子、藤田光里などがシード権を獲得できず、有村智恵、諸里しのぶなどの経験豊富な選手たちや、今年プロテストに合格した勝みなみ、新垣比菜など1998年生まれを中心とした“黄金世代”の選手たちとともに、ファイナルQTに出場することとなった。
注目選手のなかでもひときわ結果を出したのが松森彩夏。4日間トータル8アンダーの2位と強さを見せた。昨シーズン賞金ランキング15位の実力者だけあり、来季のツアーでの“逆襲”を期待したい。
今シーズン賞金ランク62位のキンクミこと金田久美子は、イ・ボミの専属キャディとして知られる清水重憲キャディにバッグを担いでもらいファイナルQTに参戦。その効果もあってか2日目を終えた段階でもトップに立つなど好調なゴルフを展開し、こちらも5位と好位置でQTを終えた。
今シーズンの賞金ランキング58位だった有村智恵は初日を2オーバー・61位タイと出遅れるが、2日目に4アンダー、3日目に5アンダーとスコアを伸ばし、3日目終了時点でトップタイへ。最終日を1オーバーで終え、トータル6アンダーの8位とした。こちらも、来季の巻き返しに期待したい。
また、実績組に負けじと若手も気を吐いた。「黄金世代」代表の一人、勝みなみは初日に4アンダーでトップに立つとその後も粘り強いプレーを見せ、トータル1アンダーの26位。さらには勝と同世代の小祝さくら(9位)、2017年のプロテストトップタイ合格の松田鈴英(18位)らも好順位でファイナルQTを終えた。
一方、実績組では原江里菜が50位、藤田光里は66位と厳しい順位で競技を終えた。また、セクシークイーンの愛称でツアーを盛り上げたアン・シネはトータル7オーバーの71位でフィニッシュと苦しい結果となった。黄金世代では新垣比菜が45位と、出場試合数が限られる順位で4日間を終えている。
毎年フレッシュな顔ぶれをツアーに送り込む一方で、たとえ人気プロであっても順位次第では出られる試合を限定されてしまうのがファイナルQTの常。上位でフィニッシュした選手たちの来シーズンの活躍と、苦しい順位で終えた選手たちの巻き返しに期待したい。
写真/岡沢裕行