プロはあわやスコア「20台」! 一方のアマチュア2名は……!?
実験場所はアクアラインゴルフクラブのアウトコース。レギュラーティ3166ヤードに対し、レディースティは2569ヤードと実に約600ヤード短い。1ホールあたり約66ヤード距離が短いことになり、ものすごく大雑把な計算をすれば、パー4ならば4から5番手短いクラブを持てることになる(はず)。
挑むのは、平均スコア90台半ばでハーフのベストスコアが39の編集部Oと平均スコア100前後でハーフのベストスコアが45の編集部F。そして、所属プロの宮内希幸プロにもプレーしてもらった。アマチュアはそれぞれハーフベスト更新を狙い、宮内プロは「ズバリ、ハーフ“20台”を目指します」と意気込んで、プレーを開始した。
結果を先に発表しよう。レディースティから回った結果、スコアはこうなった。
編集部O:44
編集部F:51
宮内プロ:31
特筆すべきは宮内プロで、宣言通りにハーフ「20台」に迫るプレーを見せてくれた。7番ホールを終えて4アンダーで迎えた115ヤードの8番パー3で、「ホールインワンを狙います」と宣言した放ったショットを10センチにつけたショットには、取材陣一同から感嘆の声が挙がったほど。終わってみれば5アンダー31のラウンド。さすがプロである。
「パー3はウェッジ。パー4はワンオンを狙うか、狙わなくてもセカンドはアプローチの距離。パー5でもアイアンで2オンが可能とあって、ごくごく当然のこととしてスコアが良くなりました。レディースティからとはいえハーフ20台は出したかったので、残念ですけどね」(宮内)
コメントからも、プロの場合は距離の短さがスコアに直結していることがわかる。それに対して残念な結果となったのが編集部員2名。ベストスコア更新がならなかったどころか、ほとんど“いつも通り”のスコアに落ち着いてしまっている。
「距離が短い分、ワンオンさせようとか、セカンドをウェッジで“チョン”と打とうと考えてしまい、ティショットで力んでしまったのが敗因ですね。曲げて林の中に入れたり、OBも2発打ってしまいました」(編集部F)
「ふたつのパー5で両方トリプルボギーを叩いてしまいました。1番パー5では2オンを狙ったセカンドショットがチョロ。サードショットもミスして、ボギーオンからの3パットでした。486ヤードと、レディースティからとしては長い6番パー5では力んでしまってティショットがOB。あの2ホールさえなければベストスコア更新も狙えたのですが……」(編集O)
とコメントしたが無論ゴルフに“タラレバ”は存在しない。
「二人とも、“コースが短い”ことをむしろデメリットにしてしまっていましたよね。たとえば5番ホールはレギュラーティより約100ヤード短い293ヤードのパー4。ティショットで150ヤードくらい打てばレギュラーティで今日イチのドライバーを打ったのと同じ場所から打てるわけです。そういうホールでドライバーを持ってミスして大怪我といったような、もったいなさすぎるミスが目立ちました」(宮内プロ)
つまり、距離が短いことをスコアに結びつけるためには、冷静なマネジメントが必須だということだ。293ヤードのパー4を、当たれば250ヤード飛ぶゴルファーが、ドライバーとサンドウェッジで攻める場合と、170ヤード飛ぶユーティリティと9番アイアンで攻める場合とを10回ずつ比較すれば、後者のほうが平均スコアが良くなるであろうことは自明と言っていい。
距離が短いからこそ「置きにいった」プロと、距離が短いからと「飛ばしにいった」アマ。その違いが、結果となって現れた。
「ティショットをセカンドショットから逆算して打つ。それだけでスコアは違うはずですよ。たとえば78ヤードとか、中途半端な距離のセカンドを残すより、きっちり100ヤード残したほうが打ちやすいですから」(宮内)
というわけで、「男性がレディースティでラウンドするとベストスコアは出るのか!?」という問いに対する答えは「出ない」というのが今回の結論。しかし、編集部員2名にとっては己のコースマネジメントの拙劣さを痛感する良い機会であり、なにより普段とは違う景色からのプレーは新鮮で、とても楽しい機会だったという。
ゴルフ仲間に女性が多い方、夫婦や恋人とゴルフを共通の趣味としている方は、一度、レディースティからプレーしてみると、意外な発見がある……かもしれない。