同じモデルのドライバーとアイアンを使用
2017年の男女賞金王、宮里優作と鈴木愛の意外な共通点。それは、両者ともにピンのG400ドライバーとi200アイアンを使っている、ということだ。
ドライバーとアイアンともに同じモデルを使って男女賞金王を獲得するのは、ピンによれば史上初のこと。たしかに、そもそも男子プロと女子プロが同じモデルを使用すること自体がやや珍しい。ドライバーだけならともかく、アイアンまで同じというのは非常に珍しいと言っていいだろう。
宮里はもともと昨シーズンから同社のGドライバーを使い、7月には新モデルのG400ドライバー(ロフト8.5度 LST)にスイッチ。鈴木も、元々はGドライバーを使っていたが、シーズン半ばにG400にチェンジしている。なんと使用に至る“経緯”まで似ている。
ちなみに鈴木はピンの契約プロだが、宮里はクラブ契約フリーで、自分でどのメーカーのどのクラブを使うか、自由に選べる立場。そんな宮里のアイアン選びについて、ピンのツアー担当、ウィル・ヤナギサワさんはこう語る。
「全英オープンに出場した際、飛距離と高さの両立が必要と感じたと言っていたんです。そこで、i200アイアンをテストしてもらったところ、宮里プロの描く弾道にマッチし、採用してくれたようです。ソールに少し削りを入れていますが、ヘッドは市販されているものと同じもの。シャフトに関しては、9月末にそれまで使っていた“モーダス”のXシャフトからSシャフトに変更。軟らかくなり過ぎないように番手をずらして入れました(例:5番アイアンのシャフトを4番アイアンに入れる)。そうしたら次の週の『ホンマツアーワールドカップ』で72ホールノーボギーで優勝という快挙を見せてくれたんです。契約選手ではありませんが、本当に嬉しかったですね」
一方の鈴木愛は、i200アイアンをシーズンはじめから使用。その結果、「球の高さが出るようになってダイレクトにピンを狙えるような攻めのゴルフができるようになった」とは女子のツアー担当浦山康雄さんは言う。
となると気になるのは、「賞金王のクラブ」であるi200アイアンとG400ドライバーは、一般ゴルファーでも使いこなせるのか、という点だ。みんなのゴルフダイジェスト編集部員で、発売されるクラブの多くを試打しているプロゴルファー・中村修は「十分使える」と言う。
「i200アイアンはいわゆるキャビティバックのアイアンで球が上がりやすいのが特徴です。しかし、球が上がるだけではなくある程度スピン量も確保されているのでグリーン上でもしっかり止まります。いまどきの“激飛び系アイアン”ではありませんが、上がる・止まるという基本的機能がしっかりしているので、アマチュアゴルファーでも使いやすいと思います」(中村)
二人ともドライバーはG400ドライバーのロースピンモデルである「LST」を使用。ヘッド体積445CCとやや締まった印象のヘッドで、打ち出し角と直進性が高くスピン量も少ないのが特徴だ。
「G400ドライバーは、とにかく直進性が高いクラブです。プロでも全ショットがナイスショットではありませんが、長いシーズンで考えたときに、トータルで遠くへ真っすぐ飛んでくれる安心感があるクラブといえると思います。アマチュアの方だったら、LSTではなくノーマルモデルか、つかまりのいいSFTというモデルを選ぶと、より安定して使いやすいと思いますよ」(中村)
賞金王効果でベストスコアが狙える……かも。