プロからアマチュアまで飛ばしの技術を身につけさせてきた吉田一尊プロは、「飛ばしのリズムは『イーチ』が正解です」と話す。飛ばしに関するエッセンスが詰みこまれた著書「セカンドショットは、ウェッジで。」から、誰でも飛ばし屋になれるリズムを身につけるドリルをご紹介。

「イーチ」のリズムで動くためのドリル

僕の考える理想のスウィングを実現するには、動き出したら止まらない「イーチのリズム」を身につけるのが必須です。これが理解できるだけでスウィングは1枚も2枚もレベルアップします。今から紹介するドリルをぜひ、実践していただきたいと思います。

さて、具体的なやり方を解説していきましょう。まず、クラブ(番手は問いませんが、ドライバーなど、長いクラブだと実感しやすいはずです)を持ち、おへそのちょっと下あたりにグリップエンドを押しつけてください。そうしたら、普段の体とグリップの距離感で、クラブを持ちます。シャフトの真ん中あたりをグリップする感じですね。そしてそのまま前傾します。グリップエンドを体につけて、普段よりもはるかに短く握っているわけですから、当然、クラブは地面につきません。

その状態から、「イチ」でバックスウィングし、「ニ」でフィニッシュ、といったふうに、体を右に45度、左に90度、向けます。フィニッシュで体からクラブが離れないように、シャフトが常に体の中心を指した状態をキープしたまま骨盤だけをくるっと回転させるイメージです。

画像: シャフトの真ん中をグリップして、イチ・ニのリズムで連続素振り(写真は書籍掲載時のもの)

シャフトの真ん中をグリップして、イチ・ニのリズムで連続素振り(写真は書籍掲載時のもの)

当然、体が右を向けばクラブも右を、左を向けばクラブも左を向くはずです。体とクラブが同時に動いているわけですから、フェースローテーションは発生しなくてOKです。これを、イチ、ニ、イチ、ニと連続素振りの要領で繰り返してみてください。このように構えると、クラブを腕で振ることができませんから、自然に下半身で体を回すイメージがつかめると思います。

つぎに、今度はグリップはいつも通り(クラブのグリップ部分を握る)にして、そのままグリップエンドを先ほどと同様におへその下に押しつけます。先ほどとは、クラブをグリップする位置が違うので注意してください。両腕で「五角形」を作るイメージで構えます。そして、今度は「イチ、ニ」ではなく「イーチ」のリズムで体を左右に向けてください。「イ」で動きだして、「チ」でフィニッシュ。その間は一度も止まることなく動き続けるリズムです。

腕は体に密着しているので、先ほど同様腕だけを振ってスウィングすることはできませんが、先ほどよりも体の固定感が弱まった状態なので、骨盤の動きによって体を回したとき、肩甲骨のあたりがねじれる感じが体感できると思います。骨盤の動きによって右を向いた体が、同じく骨盤の動きによって左にターンをはじめる瞬間、肩甲骨周りの筋肉がねじられて(ゴムが伸びる動き)、一瞬遅れて切り返しをはじめる(ゴムが縮まる動き)。そして、遅れてきた下半身がゴムの縮む作用によって加速され、ビュン! と勢いよく左に向けてターンする。その感覚をつかむのが目的です。

もう少し説明します。このとき(切り返し以降)の下半身の動きと上半身の動きは、陸上のトラック競技に似ています。トラック競技では、外周スタートの人には距離的なハンディがあるわけで、たとえば、横並びでスタートすれば、絶対に内周を走る選手のほうが先行します。これをこのドリルに当てはめて説明すると、先行するのは内周を走る選手に当たる骨盤。そして、一瞬遅れるのが、外周を走る選手に当たる肩甲骨。そして、そのさらに外周、いちばん外のレーンを走る選手がクラブヘッドというわけです。

切り返し以降、骨盤が動き、遅れて肩甲骨回りが動き、いちばん最後にクラブヘッドが動く。この順番で動くからこそ、体にねじれが生まれ、クラブヘッドが加速するわけです。

画像: グリップをお腹につけて、「イーチのリズム」で素振り(写真は書籍掲載時のもの)

グリップをお腹につけて、「イーチのリズム」で素振り(写真は書籍掲載時のもの)

ちなみに、いちばん最初に行う、グリップエンドをおへその下に押しつけ、なおかつシャフトのほぼ中央部分を握って振るドリルは、いちばん内側のレーンである骨盤も、外側のレーンである肩甲骨も、いちばん外側のレーンであるクラブヘッドも同時に動きます。あのドリルはあくまで下半身で体を回す感覚を身につけるのが目的ですが、もしそのイメージのままスウィングすれば、三者が同じスピードで走るわけですから、外側が速く動き内側がゆっくりになります。体が動かず、腕を振って当てにいくスウィング、いわゆる手打ちです。多くのアマチュアの方はまさにこのイメージで振っています。

そして最後に、普通にクラブをグリップし、普通にアドレスして、お腹にグリップエンドを押しつけているイメージだけを持ち続けて、スウィングしてみてください。「イーチ」のリズムで振ることで、下半身、肩甲骨回りの筋肉、クラブヘッドの順に切り返しが起き、加速したクラブヘッドが気持ちよく走り抜ける感覚が得られるはずです。

吉田一尊(よしだ・かずたか)著書:「セカンドショットは、ウェッジで。」(ゴルフダイジェスト社)より※刊行当時の名前の表記は吉田一誉

写真/有原裕晶、小林司

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