プロゴルファーにとって一番重要なのが職場の確保だ。戦う場がないのはすなわち稼ぐ場を失うこと。失業と背中合わせの厳しい世界なのである。まずはシード権を獲得するのが第一。それが叶わない場合は予選会で試合への出場資格を賭けた戦いに挑まなければならない。そして今年のファイナルQTでは知名度の高いベテランが試練にさらされた……。

QT=来季の出場権を争う試合

2017年12月5日に終了した国内男子ツアーファイナルクオリファイングトーナメント(QT)。今回トップ通過を果たしたのはかつてタイガー・ウッズと優勝争いを演じ逆転でメジャー、全米プロゴルフ選手権(09年)に優勝したY.E.ヤンだ。当時メジャーの最終日トップでスタートすると負けなしだったタイガーの不敗神話が崩れたと大きな話題になった。

しかしアジア勢初のメジャーチャンピオンも45歳。最近はPGAツアーへの出場機会がなくなり、かつて4勝を挙げ世界へ羽ばたくきっかけとなった“古巣”日本へと戻ってくる決意をした。

メジャーチャンプのプライドをかなぐり捨てセカンドQTからの参戦。セカンド、サードと勝ち上がりファイナルでは最終日に「64」をマークし6日間トータルで23アンダー。トップで来シーズン前半戦の出場権を獲得した。

日本勢で注目されたのは近藤共弘と星野英正の同級生(40歳)コンビだ。近藤はプロデビュー翌年の01年から16年連続シードを守ってきたツアー6勝の実力者。一方の星野はプロ入り直後なかなか結果が出ずに苦しんだが、2008年のUBS日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズをはじめツアー通算3勝を挙げこれまで着実に出場権を確保してきた。

画像: 今シーズンの成績は日本プロと関西オープンの13位タイが最高だった近藤(2017年日本プロゴルフ選手権 2日目)

今シーズンの成績は日本プロと関西オープンの13位タイが最高だった近藤(2017年日本プロゴルフ選手権 2日目)

その2人が今季は良いところなくシード圏外へ。近藤が賞金ランク94位、星野が97位とシード権が与えられるトップ60入りには遠く及ばなかった。

エリート街道を歩んできた選手にとってQTは屈辱の場でもる。シードを獲ったことのない選手のなかにはQT慣れしている者もいる。しかし近藤や星野がアウェイであるQTで結果を出すのはかえって難しい。

なりふり構わず実力を発揮できるかどうかがポイントだったが、結果は近藤が53位で星野が59位。来季前半戦の出場権の目安となる35位以内には入れなかった。

今年賞金王に輝いた宮里優作が東北福祉大学に進んだのは当時アマチュア最強と呼ばれ日本アマ3勝の星野に憧れたからだった。期待されながらなかなか結果が出ずに苦しんだのは宮里も星野も同じ。だが長いトンネルを抜け宮里が頂点に駆け上がったその年に星野が出場権を逃すというのも不思議な巡り合わせを感じずにはいられない。

近藤は来季生涯獲得賞金ランク25位以内の選手に特例として与えられる1年限定のシード権を行使する可能性が高いという。星野は来季チャレンジトーナメントを中心に戦うことになる。2人にはまだ枯れてほしくないが……。

写真/姉崎正

HONMA

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