モノが売れない時代と言われて久しいが、ゴルフギアの世界では2017年12月に発売されたゼクシオ テンが“爆売れ”している。ギアに詳しいゴルフライターが大ヒットの理由を分析してみた。

その週、二人に一人がゼクシオを買った

2017年12月9日に発売された、ダンロップ「ゼクシオ テン」の売れ行きが非常に好調だという。発売第一週(12月4日~12月10日)のドライバー部門では、店頭販売金額シェアがなんと52.3%! ドライバーを購入した人の、実に半分以上が「ゼクシオ」を購入したことになる。

これほどまでに「ゼクシオ テン」が人気となったのは何故だろうか。ショップ店員や量販店のバイヤーなど、複数の関係者に聞き込みを行ったところ、3つの理由が推測できそうだ。

ひとつは、試打での評価が高かったこと。発売前の試打会では好結果を連発するゴルファーが後を絶たず、その場で予約注文した人も多かったという。今回のロケットスタートは、こうした予約注文に支えられている側面も大きい。「ゼクシオ テン」の最大の売りである、自然と芯で捉えやすくなるという機能を実際に体感出来たことで、スムーズな購入に繋がったようだ。

画像: 試打会を積極的に実施。ドライバーだけでなく、全カテゴリの好調な売れ行きにつながった

試打会を積極的に実施。ドライバーだけでなく、全カテゴリの好調な売れ行きにつながった

ふたつめは、2017年に人気となったドライバーが今ひとつ合わなかったゴルファーが多かったのではないかということ。

昨年のヒット作と言えば、キャロウェイの「GBBエピック スター」やテーラーメイドの「M2」(2017年モデル)、そして秋に発売になったピンの「G400」といった、海外メーカーのドライバーだ。これらが優れたクラブであることは論を俟(ま)たないが、プロも多く使用するだけあって、どうしてもパワーがあるゴルファーのほうが良い結果になる傾向がある。

ヘッドスピードがそれほど速くなく、持ち球はスライス系というのが、日本人ゴルファーの圧倒的多数派だ。「ゼクシオ テン」は、まさにそのボリュームゾーンに焦点を当てたクラブであり、扱いやすいと感じるゴルファーは多いだろう。人気の外ブラに苦戦していた層には、待望のドライバーになった。

三つめは、前作「ゼクシオ ナイン」や前々作「ゼクシオ エイト」を買い控えていた層も購入したと思われることだ。記念すべき10代目ということもあり、改めて「ゼクシオ」への購入欲が高まった、従来からのファンが少なくないようだ。

矢野経済研究所主任研究員の三石茂樹氏は、「少し前にiPhone X(テン)が発売になり話題になりました。Xを“テン”と読ませるところも同じで、なんとなく10代目への期待感というものが、発売前から醸成されていたと感じます」と分析する。

画像: 絶好調のゼクシオ テンだが、それだけにライバルも多い。春のドライバー戦線の行方が気になるところだ

絶好調のゼクシオ テンだが、それだけにライバルも多い。春のドライバー戦線の行方が気になるところだ

しかし、発売直後から人気のヤマハ「RMX 218」や、多くの有識者から高評価を受けるタイトリスト「VG3」に加え、ホンマ「ビジール535」ヨネックス「イーゾーンGT」など、対抗馬になりそうなモデルも続々と市場に登場しており、他のメーカーもそれに続くだろう。この“ゼクシオ包囲網”のなか、「ゼクシオ テン」が、どこまで人気を伸ばせるのか、注目されるところだ。

※矢野経済研究所調べの全国主要小売店店頭販売実績集計(2017年12月4日~12月10日)において、サブブランド別ウッド、アイアン合計金額において売上No.1

写真/有原裕晶

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