長らく会社員として勤めた後、プロゴルファーに転向してシニアツアーで活躍している田村尚之プロ。我々アマチュアゴルファーにもきっと役立つ考え方を、著書「田村流『あきらめる』ゴルフ」からご紹介しよう。

ゴルフは定理や事実で考えたほうがやさしい

私のスウィングの特徴は、かかと体重で遠心力を使って飛ばすこと。

それは全くセオリーと違うと驚かれる方もいるでしょう。たしかに、雑誌のレッスン記事などでは、「アドレスはつま先体重」と書かれたものを目にすることが多いですよね。というか、かかと体重と言っているのは私だけかな!?

ところで、なぜゴルフのアドレスでつま先体重にしろと言われることが多いのでしょうか。私が思うに、少しひざを曲げてちょっと前傾になるゴルフの構えは、「気をつけ」の姿勢よりも、少しつま先側に体重がかかるという、ただそれだけのように感じます。

しかし、そのつま先体重というのは、あくまでも感覚的な話なのではないでしょうか。たとえば北海道から来た人は、「東京は暖かいところ」と言うでしょう。逆に沖縄から東京に来た人は、「東京は涼しいところ」と言うでしょう。

ゴルフはこういった「感覚」の話が「セオリー」となることが多いからややこしいんです。とくに、著名なプロゴルファーやレッスンプロが言う内容が、セオリーとして蔓延することが多いようです。そういった影響力の強い人が北海道から来た人だったら、「東京は暖かいところ」というのがセオリーになってしまうのではないでしょうか。

画像: ゴルフのセオリーは感覚的な部分の割合が大きい

ゴルフのセオリーは感覚的な部分の割合が大きい

感覚的な表現というものは、非常にあいまいな部分を秘めています。私が唱えるかかと体重も、測定器で測ったわけではありませんし、正解とは限りません。ただ、足はかかと側についているという事実に基づいて話しています。また、ゴルフのスウィングは基本的にその場の運動です。インパクト付近で遠心力によってヘッドが体の正面側(前側)に引っ張られるわけですから、少なくとも体の後ろ側に重心がないと、体が前に倒れてしまうはずと考えているのです。

私がゴルフを算数や理科で証明された定理や、明らかになっている事実を基にスウィングを考えています。そのほうが、正解らしきもの=自分に合った打ち方が見つかりやすいですし、無理をしない振り方ができると思うのです。

「田村流『あきらめる』ゴルフ」(ゴルフダイジェスト社)より

写真/有原裕晶

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