PGAツアーへの登竜門であるウェブ・ドット・コム・ツアーには、たとえばバスケットボールや水泳などで頂点を極めたトップアスリートがゴルフに転向したとき主催者が話題作りも兼ねプロデビューの場を提供することが多い。
ところが今回は52歳の元ボクサー、ジュリオ・ベル氏がやらかしてしまったのだ。大会初日のスコアが22オーバー93。それだけでも泣きたくなるが2日目には100叩き(105)を演じ通算56オーバーでホールアウトし失格扱いとなった。
首位とは実に65ストローク差! 明らかに実力不足というか大会前のプロアマレベルの腕前である。しかしベル氏には“前科”があった。それは2年前のコロンビア選手権でのこと。初日99、2日目92のトータル49オーバーで予選落ちをしているのだ。
元ボクサーいわく「ゴルフに本腰を入れたのは4、5年前。まだ道のり半ばだね」。
この事態に本人というより主催者への批判が噴出した。確かに素人レベルのアマチュアを推薦出場させるとは地元コロンビア人への贔屓の引き倒しといわれても仕方がない。
米ゴルフダイジェストが現地でキャディに取材したところ「今回の件には多くの選手が不満を持っている」と答えたという。「生活がかかっているプロのスポットを奪って地元の誰かさんが試合に出たのだからね」
誰かが出れば誰かが弾かれる。ウェイティング1番だったケン・ルーパーは欠場する選手が出た場合に備え現地で待機していたがチャンスは訪れず。その光景を目の当たりにしたキャディたちは同情を禁じ得なかったようだ。
推薦されて試合に出たのだから正当な手続きを経ている。「批判される筋合いはない」というベル氏の気持ちもわからないではないが、それにしても93-105はまずいんじゃないですか?