2017年、リディア・コーは2012年のプロ入り以来はじめて未勝利のシーズンを送った。世界ランクも1位から10位へ後退。20歳になった彼女は復活を懸け新たなコーチ、新たなキャディを採用し再スタートを切った。

リディア・コーの新コーチはタイガーの“元”ライバル!?

米女子ツアーはISPSハンダ・オーストラリアン女子オープンを開催中。初日はアマチュアで高校2年の山口すず夏が3位タイの好発進を切り、2日目には19歳の畑岡奈紗が「67」の好スコアで優勝戦線に浮上。若き才能が海外で躍動している。

そんななか注目は元世界ランクナンバー1、リディア・コーだ。今季初戦を戦うコーは初日ノーボギーの安定したゴルフで山口と同じ3位タイ。「シーズン初戦の初日に良いスタートが切れてよかったです」と納得の表情を見せた。

彼女が注目される理由のひとつが周囲のスタッフを一新したこと。デビューから5年で11人キャディを替えた彼女が新キャディを採用しても驚くことはないが、新コーチの存在はゴルフ関係者の関心を誘っている。

テッド・オーの名に聞き覚えはないだろうか? 韓国系アメリカ人。日本ツアーやアジアツアーに参戦。ジュニア時代はタイガーのライバルとして名を馳せた。そのオーが初代のデビッド・レッドベター、2代目のゲーリー・キルクウィストに続き3代目のコーチに就任したのだ。

画像: リディア・コーの新コーチとなったテッド・オー氏(撮影:2013年)

リディア・コーの新コーチとなったテッド・オー氏(撮影:2013年)

レッドベターやキルクウィストは有名コーチだがオーの指導者としての実績はゼロに等しい。スウィングを調整したいオフに多忙のためコーだけに時間を避けないキルクウィストの代わりに、クラブ契約を交わすPXGの本拠地のあるフェニックスで彼女につきっきりで指導したのがオーだった。

オーの出身はタイガーと同じ南カリフォルニア。ジュニア時代は全米ジュニアランキング1位と2位を争う間柄で2人はともに将来を嘱望される存在だった。

特にオーは1993年にバルタスロールで行われた全米オープンに16歳で出場。過去50年の大会史上最年少出場の快挙、と騒がれた。

ところが大学を中退してプロになったタイガーはデビュー翌年にマスターズに勝ってスターダムにのし上がったが、大学卒業と同時にプロ入りしたオーは残念ながら米ツアーで居場所を作ることができなかった。

海外に活路を求めたものの近年は選手生活に見切りをつけ2016年ティーチングに転向。彼がかつて鳴り物入りでプロデビューした当時のマネージャー、マイケル・イム氏が現在コーのマネジメントを行っている縁で2人は出会い、オーはこのオフ1日9時間もコーの練習に付き合ったのだそうだ。

「自分は古いタイプ。地道だけが取り柄でどこにも派手さなんてない、とリディアにいいました」ゴルフチャンネルのインタビューでそう語ったオー。

「練習の仕方を教えることはしない。ただキミの側に寄り添っていくよ」

天国から地獄を味わった男の言葉はコーの心に刺さったようだ。 二人三脚での復活Vに期待しても良いかもしれない。

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