ロケットスタートの「ゼクシオ テン」から「M4」が首位を奪取
昨年の12月初旬に発売されたダンロップ「ゼクシオ テン」。10代目という記念碑的なモデルということもあってか、発売直後から歴史的な売上となるロケットスタートを切った。発売第一週のドライバー店頭販売金額シェアが、なんと52.3%と全体の半数を超えたのだ。
年が明けてからもゼクシオの好調は変わらなかったが、ツアーではテーラーメイドの「M」シリーズに注目が集まった。セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズでダスティン・ジョンソンが見せた、433ヤードパー4のティショットでピンのわずか15cmにつける衝撃的なプレーは、今もファンの間で大いに話題になっている。
その時、使用していたのは「M4」ドライバー。その後、「M3」を含めた最新シリーズがツアーデビュー以来、5戦4勝と目覚ましい好結果を出した。ツアーに復帰したタイガー・ウッズも現在「M3 460」を愛用中だ。
「M3」&「M4」は、芯を外した当たりでも曲がり幅が小さくなるという「ツイストフェース」への期待感、そして何よりもツアーでの実績が後押しして、事前予約が殺到。発売第一週は「ゼクシオ テン」を抑えて、「M4」と「M3 460」がワンツーフィニッシュを決めた。1位となった「M4」は、2位の「M3 460」の倍以上の売上になるという強烈なデビューだ。
発売直後のゴルフ練習場を覗いてみると、早くも「M3」&「M4」をバッグに入れたゴルファーが何人も見られた。彼らはドライバーだけでなく、フェアウェイウッドやアイアンも「M」シリーズに変えている人が少なくない。ドライバーは今から注文しても、スペックによっては入荷が5月になるという。この「M」シリーズの勢いは、近年にない大ヒットの予感すら漂っている。
昨年エピックが大ヒット。キャロウェイ「ローグ」も虎視眈々
昨年、発売後に同じような品薄状況が続いたのが、キャロウェイの「GBBエピック」シリーズだ。ヘッド内部に二本の柱を搭載する「ジェイルブレイクテクノロジー」の効果が反響を呼び、2017年のもっとも売れたドライバーとなった。
そのキャロウェイからは2月23日に新シリーズとなる「ローグ」が発売された。「GBBエピック」の成功がまだ記憶に新しいところだが、“EPICを超えなければ、出す意味なんてない。”という挑発的なコピーで、今年も意欲作を投入した。販売実績はこれからの集計を待たねばならないが、事前予約はシリーズ全体で「GBBエピック」を上回る勢いを見せているという。この「ローグ」に対しても、ゴルファーの期待の高まりをひしひしと感じる。
今年からキャロウェイ契約となったセルヒオ・ガルシアは、ドライバーを「ローグ サブゼロ」、ウッド類は全て「ローグ」シリーズに変更し、「SMBCシンガポールオープン」で早々に優勝した。ガルシアは昨年、悲願のマスターズ制覇を果たしたが、その際、テーラーメイドの「M2」(2017年モデル)、そしてパターに「スパイダー・ツアー・レッド」を使用し、その人気を力強く後押しした。同様のケースが「ローグ」に起きても不思議ではない。
今年のドライバー人気は、ゼクシオ、Mシリーズ、ローグの3強を中心に展開していきそうな気配。人気の趨勢はツアーでの使用、そして使用プロの大舞台での活躍がカギになりそうだ。
写真/三木崇徳、小林司