ボミの腹筋に変化が! ハードなトレーニングを導入
「オフの合宿で、まずボミさんの体力をテストしました。実は、(テストの数値は)アスリートとしては思いのほか低かったんです。ゴルフは激しいスポーツではないので、筋力があまり必要ではないように思うかもしれませんが、むしろ止まった状態から打つことにはものすごく筋力を使うんです。そこで、まずは基礎の筋力を上げ、それをスウィングに連動させるようにメニューを組みました」
そう語るのは、ボミの“新トレーナー”である大迫伸二トレーナー。ボミが選んだ3つの“チェンジ”。そのひとつめは、一年間戦い抜くボディを作るためのトレーナーの“チェンジ”だ。以前もボミはトレーニングをしていたが、その取り組み方は一言でハードになったようだ。
「ボミさんは、そういう(ハードな)トレーニングをしてみたかった! と言ってくれましたが、実際に始まったら『無理~』ってなりました(笑)。足が震えて、階段の上り下りができないくらいでしたから。『こんなの初めて』だと言っていました。それでも、合宿の後半では数値がアスリートレベルまで向上。ボミさんも、腹筋が少しラインが出てきたと言って喜んでいました」(大迫)
アスリートとしては低かったというボミの筋肉。トレーニングを経て作り上げた強靭な肉体とスウィングを連動させることに取り組んでいるのだという。
ボミの成績はパーオン率と連動している!?
ボミの選んだ3つのチェンジ、ふたつ目はスウィングコーチ。ボミのコーチといえば、高校時代から彼女を指導するチョ・ボムスコーチだが、今季はアーロン・キムコーチが指導する。
「ボミの日本ツアーデビューは2011年ですが、私は3勝して賞金ランク2位になった2012年にコーチをしていました。その後、チョ・ボムス先生に戻り、また私がコーチをすることになりました。彼女は昨シーズン苦しい時間を過ごしましたが、2012年の成功したシーズンのフィーリングを取り戻せればと思っています」
そう語るキムコーチ。キムコーチとボミは、本来の持ち球である素直なドローボールへの“回帰”を目指している。基本に戻ることで、良いときの輝きを取り戻そうとしているようだ。ボミ本人は言う。
「練習日に(プレーした感覚では)スウィングの感じはまだ半分くらい。タイの試合(米女子ツアーのホンダLPGAタイランド)でもミスショットが多かったので、もうちょっとかなと思います」
偶然の一致かもしれないが、2012年は賞金ランク2位でショットの精度を示すパーオン率も2位。2017年は賞金ランク23位でパーオン率も23位だった。ショットメーカーであるボミにとって、スウィングの精度のアップは成績向上に直結するはずだ。
「プロ向け」から「アマチュア向け」にクラブをチェンジ
さて、最後のチェンジはドライバー。契約先は本間ゴルフで変わらないが、昨年まで使っていたプロ向けクラブの「ツアーワールド」から、アマチュア向けの「ビジール」へのチェンジを検討している。ただ、これはまだ検討中のようで、「ドライバーは『ビジール』でいきたいと思ってるけど、もう少し調整が必要だと思います」(ボミ)とコメントしている。
トレーナー、コーチ、クラブ、すべてをチェンジして臨む2018年シーズン。大胆なチェンジが功を奏し、賞金女王の座を奪い返せるか、注目だ。
写真/三木崇徳