2月末に行われたPGA(米男子)ツアー、ザ・ホンダ・クラシックを通算イーブンパーの12位とまずまずの成績で終えたタイガー・ウッズ。4月のマスターズに向け、タイガーは果たしてどれくらい復調しているのか。月刊ゴルフダイジェスト編集部・ツアー担当のケンジロウが、タイガーのスウィングを生で見てきたプロゴルファー・レックス倉本に話を聞いた。

強い頃のタイガーが帰ってきた

こんにちはケンジロウです。

メキシコシティからお届けしております。一夜経って、まだメキシコ選手権の最終日の余韻が残っている感じがします。さて、今週のPGAツアーはフロリダに場所を戻して、タンパのイニスブルックゴルフリゾートで「バルスパー選手権」が行われます。

松山英樹選手の出場の可能性もありましたが、最終的に出場をとりやめました。今は自宅のあるフロリダ州オーランドでしっかりと球を打ち込んでいるようです。左手のケガも順調に回復しているみたいでひと安心ですね。

今週は「WGC(世界ゴルフ選手権、通常の試合より規模が大きい)」のあとでもあり、次週には「アーノルドパーマー招待」という大きな大会が控えているので、トップ選手はオフに充てるケースが多いんです。ただし今年は例外があって、あのタイガー・ウッズが出場を決めたんです。今までだったらおそらくスキップしていた試合ですが、試合に出たくてウズウッズ……しているんでしょうね。

でも実際にタイガーがどれぐらい復調しているのか気になるところですよね。

そこで、2月末に行われたザ・ホンダ・クラシックでタイガーのスウィングを生で見てきたレックス倉本プロ(ゴルフチャンネル)にタイガーの仕上がり具合を聞いてきました。レックスプロは先週の「WGCメキシコ選手権」でNHKの現場解説を初めて担当したんですよ。

ケンジロウ:タイガーのラウンドを間近で見てどんな印象を受けましたか?

レックス:ものすごく体が仕上がっているなと感じましたね。あれは2日目の17番のショートホールでしたかね。その日はアゲンストがきつくて、タイガーは低い弾道で打とうとしたのですが、クラブが振り遅れ気味に入ってきて……、でも上手いことタイミングを合わせてインパクトに間に合わせていました。それで見事にグリーンに乗せて、見事にバーディをとりました。あれは体が万全でないとできないワザ。そのシーンを見て、「おっ、タイガーだいぶ回復してきたな」と感じましたよ。スウィングを(とっさに)アジャストできるというのがタイガーの強みですからね。強い頃のタイガーが戻ってきたなという印象を受けました。

画像: 「スウィングをアジャストできる」というタイガーの強みがプレーに表れた

「スウィングをアジャストできる」というタイガーの強みがプレーに表れた

ケンジロウ:ではスウィングも良くなってきていると?

レックス:そうですね。「ヨコ」の移動がすごく少なくなって純粋なタテの動きになりましたよね。ヨコ移動が少ないので、ひざや腰の負担は少ないはず。今までは切り返しで「ヨコ」にスライドさせてからそのあと「タテ」の動きが入っていたので、腰やひざに負担がかかっていたんですね。練習場でも、切り返しで下に沈み込みながら手を遅らせて下ろすようなシャドースウィングをしていましたよ。

ケンジロウ:コーチのクリス・コモがタイガーの元を離れたと聞きました

レックス:コーチからアドバイスを受けるということに限界を感じたのかもしれませんね。やはり42歳になった今のタイガーの感覚を理解するのはどんなコーチでも難しいはず。加齢による体のひずみに対してスウィングをどういう風に合わせていけばいいか、それは本人が一番わかっていますからね。

ケンジロウ―:なるほどー。たしかにホンダクラシックではタイガーのドライバー飛んでいましたね。4日間の平均が319.1ヤードでしたから。

こりゃ、タイガーの復活優勝も近いかな? フィル(・ミケルソン)とタイガーの優勝争い、見てみたいものですよね!

写真/姉﨑正

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