パー5の第3打地点で技を盗め!
試合会場での観戦方法は、人気選手やプレースタイルを参考にしたい選手を、スタートホールからホールアウトまでついて回る“密着観戦”と、1カ所でずっと観戦する“定点観戦”がありますが、もし、1つのトーナメントで複数日、観戦する機会あれば、1日は定点観測の日にしてください。
特定の選手やパーティを追いかける場合は、ショットごとにベストなポジションで見られるとは限りません。ましてや、それが人気選手だったりすると、ショット地点にたどり着いたときには、何重にも人垣ができて、頭の先だけしか見えなかった、なんてことだってあります。
その点、定点観戦は、なるべく早い時間に会場に行って、いち早く場所を確保してしまえば安心です。一定の場所にどっしりと腰を据えて観戦すれば、出場しているすべての選手のプレーを見ることができます。
定点観戦のなかでも、特にオススメなのが、“パー5の3打目地点”です。パー5といっても、2オンが可能なホールではなく、距離が長かったり、グリーン手前に池があって2打目をレイアップする必要があるホールがベストです。
というのも、ドライバーやパー3のアイアンショットは、基本的にどのプロも戦略に大きな違いがなく、技という部分では差が出にくいのです。
その点、100ヤード前後とか、それよりも短いショートゲームは、プロの技術の差が如実に表れます。プロにとって、パー5はバーディを計算に入れるホールですから、3打目でいかにピンそばに寄せるかが、プレーヤーの技の見せどころなのです。
低い球筋でスピンをコントロールして、手前からキュキュッと止める選手もいれば、高い球でピンの真上からズドンと落としたり、キャリーでピンをオーバーさせて、バックスピンで戻してくる選手もいる。選手の個性がもっとも反映されやすいのが、パー5の3打目なのです。
優勝争いには度々顔を出すけど、あと一歩のところで勝てない、なんていう選手は、こういう肝心な場面でだらしないアプローチをして、寄せきれずにバーディを逃してしまう。
勝てる人と勝てない人の差も見えてしまい、プロたちの真の技量を測ることができるのが、まさにパー5の3打目なのです。
「ゴルフは100球打つより見てなんぼ!」(ゴルフダイジェスト新書)より