2018年も女子ツアーが開幕。まだ2戦を消化しただけの段階だが、現在平均飛距離トップにいるのは、もはやこの位置が「指定席」になってきた飛ばし屋・葭葉ルミ。その飛距離は259.83ヤードで、20年前なら男子ツアープロの飛距離といっても驚かない数字だ。その葭葉ルミといえば、2017年の全米女子オープンでドライビングディスタンス1位になるという快挙を達成したことも大きな話題となったが、実はその快挙の裏側には、ちょっとしたドラマがあった。

2017年の全米女子オープン初日。葭葉ルミは68のビッグスコアを叩き出し、トップと2打差の3位タイと好位置でスタート。しかし、その後は予選こそ通過したものの、3日連続で76と苦しいゴルフ。予最終日も思うようにいかない展開の中で、葭葉は「あるホール」に狙いを定めていた。

そんな葭葉を現地で見守っていたのが、葭葉が使うドライバー「クレイジー」のスタッフである吉田尚亮さん。最終日、とあるホールに来たとき、葭葉は吉田さんにこうつぶやいたという。

「このホールのために、力を残しておきましたから!」

“このホール”とはどのホールかといえば、ドライバー飛距離の計測ホール。そしてそれは最終日最終ホール、すなわち18番ホールだった。3日目を終えて自身が平均飛距離1位であることを知り、そのことを意識してプレーしていた葭葉は、ここまできたら飛距離NO.1を獲ろうと、18番までパワーを温存していた。そして放った会心のドライバーショットで、2位の選手をわずかにかわし、見事メジャーの舞台で飛距離1位の称号を獲得することになったのだ。

画像: 平均256.59ヤードを飛ばし、平均飛距離1位に輝く(写真:全米女子オープン2017)

平均256.59ヤードを飛ばし、平均飛距離1位に輝く(写真:全米女子オープン2017)

葭葉は高校卒業後、プロテストに失敗した“浪人時代”にクレイジー社でアルバイトをしていたという過去がある。クラブ契約フリーの葭葉にとって、クレイジーはスポンサーというわけではないが、長く続く縁があった。だからこそ、全米女子オープン最終日最終ホールで放ったその1打には、使っているドライバーと、葭葉をサポートする吉田さんたちクレイジーのスタッフへの想いが込められていたのは間違いがない。

2018年、葭葉が使うのは全米女子オープンで使用したのとまったく同じドライバー。オフにはヘッドスピード49メートル/秒という男子プロ並みのヘッドスピードを計測したという葭葉。「300ヤードを狙います!」と本気で語る彼女の飛距離に、今年も注目だ。

写真/南しずか

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