先日開催されたLPGAステップアップツアー、ラシンク・ニンジニア/RKBレディースでプロ初優勝を果たしたジャンボ軍団期待のルーキー、原英莉花19歳。そんな彼女のキャディバッグには、師と仰ぐジャンボ尾崎から譲られたサンドウェッジ「M425」が入っている。このウェッジ、一体どんなウェッジなんだ!?

秘密は「きちんと仕事をするソール」にあり

ラシンク・ニンジニア/RKBレディースで初優勝した19歳の原英莉花。湘南学院高在籍時代からジャンボ尾崎の私設練習場に通い、研鑽を積んできたいわばジャンボ軍団の新鋭だ。原はこの優勝の前週にもレギュラーツアーでV争いを演じ16位タイに入っているが、その時に話題になったのが、ジャンボ尾崎から譲られたサンドウェッジの存在だった。

実際、このウェッジを手に師匠ジャンボを彷彿とさせる、低く飛び出しギュギュっとスピンが効くアプローチを披露し、パーセーブを重ねていくプレーぶりが印象的だった。このウェッジは、マスダゴルフ製の「M425」ウェッジ。その特徴はどんなところにあるのか、製作者の増田雄二さんに聞いてみた。

「『M425』に限らずのことですが、ジャンボさんのウェッジは基本的にソールのバウンスが“しっかり”と機能するタイプです。今はソールのトゥ、ヒールを削り落としたC型ソールが流行ったりしていますが、ジャンボさんは昔から、センターバウンスだけでなく、トウもヒールもしっかりとバウンスが効くウェッジを使っています。ジャンボさんのウェッジというと、強めのグースが注目されますが、きちんと仕事をするソールに大きな秘密があるんですよ」(増田さん)

画像: ジャンボ尾崎といえば、グースの強いウェッジ。ブリヂストン契約時代(左)からその好みは変わっていない

ジャンボ尾崎といえば、グースの強いウェッジ。ブリヂストン契約時代(左)からその好みは変わっていない

プロはローバウンス、アマチュアはハイバウンスというイメージを持っているゴルファーも多いかもしれないが、バウンスを使わずにアプローチをしているプレーヤーはまずいない。ローバウンスを好む選手は、フェースを開いて構えるなどして自分でバウンスを作るから、ウェッジ自体のバウンスを少なめにする。ジャンボ尾崎のように、あまりフェースを開かず、スクエアに構えてアプローチする場合は、構えでバウンスが増えることはないため、バウンス自体は多めになるわけだ。

1.フェースを開き、ローバウンス
2.フェースを開かず、ハイバウンス

では、実効的なバウンス効果は、ほぼ同じだと考えていい。

ジャンボ尾崎はバウンスがしっかりと効く“やさしいウェッジ”を好み、そのやさしさが原英莉花のプレーを下支えしている、ということになるだろうか。

小さい動きでもハイスピン。ヘッドが加速するジャンボウェッジ。

「“やさしい”という表現も間違いではないですが、狙いはそこではないのです。ジャンボさんは、しっかりとソールを使うことでアプローチでもヘッドを加速させ、強いバックスピンをかけることを意識しているのです」(増田さん)

画像: トウとヒールまでしっかりとバウンスが効く「M425」(左)は、発売3年目のベストセラーモデル。フェースを開かないなら、ソールに大きな削りのないスタンダードなウェッジを選ぶべき。

トウとヒールまでしっかりとバウンスが効く「M425」(左)は、発売3年目のベストセラーモデル。フェースを開かないなら、ソールに大きな削りのないスタンダードなウェッジを選ぶべき。

ハイバウンスはダフっても大丈夫! といわれるように、バウンスには地面に潜る方向(鋭角)に下りてきたヘッドを、振り抜き方向に導いていく“ガイド”、あるいは“方向変換器”のような役割がある。ヘッドが地面に刺さればヘッドスピードは急激に落ち、強いバックスピンなどは望むべくもないが、スムーズにヘッドが抜けていけば、スピード(エネルギー)をそのままボールに伝えることが可能になるため、スピンが入りやすくなるのだ。

「さらにインパクトエリアでの軌道がスクェアで、グースネックならばフェース面にボールが乗っている時間が長くなります。これらの効果も使って、あのバックスピンの効いたアプローチを実践しているのだと思います」(増田さん)

世界のツアーで100勝以上している名手でも、グリーン周りのアプローチではヘッドスピードは遅くなる。しかし、そんな小さい動きからでも、強いバックスピンを生み出したい。そのプレーヤーの想いと、長年それに寄り添ってきたエンジニアの経験が「M425」には凝縮されている。今年は原英莉花の活躍で脚光を浴びたが、昨年は小平智が使用したことでも話題となった。ライコンディションが安定しないシーズン序盤こそ、しっかり仕事するウェッジの“底力”が実感できるのかもしれない。

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