飛ばしたいのか、操作したいのかで選ぶボールは違う
ボールのタイプを大きく分類すると2つに分けられる。「スピン系」と呼ばれるボールをコントロールしやすいタイプと「ディスタンス系」と呼ばれる飛距離に重点を置いたタイプだ。この2つ、具体的に何が違うかというと「スピンのかかりやすさ」が違う。スピンがかかりやすい「スピン系」は、故意に曲げたりグリーンでバックスピンさせて止めるなどといったことがしやすくなるが、ミスしたときに曲がりが大きくなるし、飛距離ロスも大きくなりやすい。
反対に余分なスピンを抑制した「ディスタンス系」ボールは、飛距離の出やすい強い弾道が打ちやすく、ミスしても曲がりが少なくてすむ反面、ボールを故意に曲げようとしても曲がらないし、長い番手のショットになるとグリーン上で止めるというのが難しくなる。
ボールにどんな性能を求めるかということをはっきりさせておくとボール選びはとてもしやすくなるので、最低でも飛ばしたいのか? それとも操作したいのか? を決めておこう。
箱を見ればボールの性能がわかる!?
ゴルフボールは、みなどれも見た目から性能をうかがい知ることはできない。では何を見れば良いかというと、「パッケージ」つまり箱だ。
ゴルフボールの箱には、たいてい性能を指し示す表やグラフのようなものが書いてあり、ここを見極めることでおおよそのボールの性能を見極めることができる。まず最初に見極めたいのが前記した「ディスタンス系」「スピン系」どちらにあてはまるボールなのかということ。
パッケージの表やグラフで飛距離を前面に押し出しアピールしているのであれば「ディスタンス系」、スピン性能やボールコントロール性能をアピールしているボールは「スピン系」ボールだ。
次にチェックしておきたい項目はフィーリングという部分。「ソフト」や「やわらかい」「ハード」「しっかり」などと表されていて、主に打感を表現する項目だ。たいていのゴルファーは打感が柔らかいと気持ち良いと感じるのだが、この打感は性能にも影響する。
打感が硬めだとインパクトでボールがつぶれにくくなるのでボール初速が高めやすくなり、反対に打感が柔らかめのモデルは、インパクトでボールがつぶれやすくなるのでよりスピンがかかりやすくなる。
「ディスタンス系」や「スピン系」の中でもここを見るとより飛距離を重視しているのか、スピンを重視しているのかを判断する材料になるのだ。
もうひとつ見ておきたいのが「弾道」や「球の高さ」と表現される部分。これはボールがどのくらい上がりやすいかを表したもので、自分の弾道が低めだなと感じれば高め、高弾道と書かれているものをチョイスし、もう少し弾道の高さを抑えたいと思えば、低め、中弾道と書かれたモデルを選ぶと良いだろう。基本的に弾道の高さは使っているクラブによる影響のほうが大きいのだが、ボールでも多少調整することができるので覚えておくと良いだろう。
そして、適応ヘッドスピードという項目もチェックしておきたい。最近のボールは高性能になっており、かなりの幅を持つようになってはきたが、スピン系などのモデルはそこそこヘッドスピードがないと本来の性能を発揮するのが難しくなってしまう。具体的に数値が書いてあることがほとんどなので自分のヘッドスピードと照らし合わせて選ぶようにしよう。
ボールの性能を表現する中で3層構造とか4ピース構造などと層の数をアピールしているモデルがあるが、この層の数が多いほどドライバーやアイアン、ウェッジなど打つクラブによって求められる性能を高めやすくなる。
ヘッドスピードが高いドライバーは衝突エネルギーが大きくなるのでボールが大きくつぶれて中心に近い部分の層が反応し、ウェッジなどのヘッドスピードが低いクラブで打つとインパクトでボールのつぶれが小さくなるので外側に近い層が反応するようになる。
こうすることで余分なスピンを減らして飛距離を出したいドライバーなどで打った場合と、スピンを増やしてボールをコントロールしたいアイアンやウェッジなどで打った場合の性能を作り分けているのだ。プロや上級者の求める「スピン系」のボールに多層構造が多いのはそのためだ。
ボールは、消耗品ではあるがクラブ以上にスコアや飛距離に影響する可能性がある。毎回違うボールを使っていると同じクラブで打っても飛距離やスピン量が変わってしまい、スコアを作るのが難しくなってしまう。上達スピードを早めるためにも、できるだけ早めに好みのボールを探しだし、同じボールを使い続けることが大切だ。
写真/田中宏幸 協力/スポーツオーソリティ幕張新都心店
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