天才・金田久美子のプレーを間近で見て“盗む”のが狙い
まず、気になるのはどういった経緯で塚田が金田のキャディをすることになったのか。実はこの二人には共通点がある。どちらも、南秀樹コーチに師事しているということだ。
実は塚田、昨年のリカバリー率(パーオンしなかったホールをパーかそれよりいいスコアで上がる確率)が全体の95位タイと、小技に難がある。今回のキャディ、南秀樹コーチの提案によって実現したのだという。
それに対し金田は現在リカバリー率18位、サンドセーブ率4位と、天性と呼ぶべき小技の上手さに今シーズンさらに磨きがかかっている。金田のキャディをすることにより、アプローチのヒントが得られるに違いない。そう考えての、今回キャディを務めることになったのだという。
“仕掛け人”である南コーチは言う。
「JGTO(男子ツアー)のウェブサイトで今年の部門別データを見ると、塚田選手は平均パット125位、リカバリー率は117位。ショットは悪くないんですけど取りこぼしが多いですね。やっぱり100ヤード以内でのプレーがうまくならないと結局立ち行かないんです。谷口(徹)さんなんか、『さすがにボギーかな』っていう場面でもパーをとってきますから。今年のクミちゃん(金田)に関しても、100ヤード以内での上手さがありますから」(南)
南コーチが「今年はアプローチがすごい」という金田の100ヤード以内のプレー。それを100ヤード以内に課題を抱える塚田が“目で盗む”のが目的、というわけだ。
ちなみに、塚田本人に女子選手のキャディをしたことはあるかと尋ねると、意外にも「ある」という答えが返ってきた。「5、6試合ほどです。むか~しですけどね」。とはいえ、女子だらけの練習場では「全然居場所ないですよ(笑)」とのこと。ツアー会場では関係者からなんで塚田陽亮がいるんだ? とたびたび“二度見”されたそうだ。
忘れてはいけない、ギャラに関しては「そういえば決まってないですね。優勝したら? そうですね、なんか考えます」とのこと。ちなみにこの試合の優勝賞金は2400万円。優勝した場合のキャディの報酬は、賞金の10%が相場。
そんなわけで今週の金田久美子のプレーとともに、来週以降の塚田陽亮のプレーにも、注目だ。