プロたちが続々と大学ゴルフ部に関わり始めている
5月に入り男女ツアー共に熱い戦いが繰り広げられていますが、学生ゴルフもいよいよ春のリーグ戦が始まります。昨今、ジュニアゴルファーの台頭によって、高校生や中学生に注目が集まっています。しかし、以前はプロゴルファーを数多く排出していたのは大学ゴルフ部でした。1990年台までは日本大学ゴルフ部が、2000年以降は東北福祉大学ゴルフ部が学生ゴルフ界を牽引してきました。
もちろん現在でも両校がトップに君臨していることは変わりありませんが、ジュニアゴルファーのレベルアップやジュニア人口の増加によって連動する形で大学ゴルフ界のレベルがかなり引き上げられました。
それでは早速、日本学生ゴルフ連盟の仕組みをご紹介したいと思います。まず、学生ゴルフ連盟は関東、北海道、中部、関西、中国四国、九州の6地域に別れています。日大や東北福祉大が所属しているのは最大勢力の関東学生ゴルフ連盟です。
関東学生ゴルフ連盟は、59大学が団体加盟しており、私が監督を務めている東京大学をはじめ、慶応、早稲田、立教、明治、法政などの東京6大学やゴルフ強豪校の中央学院大学、専修大学、新興勢力の東京国際大学もここに属しています。男子はA〜Fブロックとチャレンジの合計7ブロック、女子はA〜Dブロックとチャレンジの5ブロックに分かれています。
関東学生ゴルフ連盟のAブロックは日本全国から有力なジュニアゴルファーが集結する為、チーム力は非常に高く、毎回ハイレベルな戦いになります。
昨年の秋のリーグ戦では日本大学と東北福祉大学の優勝争いは空前のアンダーパー合戦になりました。もちろん、開催コースは軽井沢72ゴルフ、パー70ではありましたがこのスコアは驚きです。8名の代表選手の上位7名のスコアを採用し、2日間の合計ストロークで順位を決定しますが、両校947ストローク(33アンダー)。如何に高いレベルで両校が競っているのかがわかります(順位は、※の選手の2日間合計ストロークによって決め、 さらにタイの場合はスコア採用の最下位選手の2日間合計ストロークによって決定 )。
各大学が最も力を入れているのは、春と夏に開催されるリーグ戦と信夫(しのぶ)杯争奪大学対抗戦(関東学生ゴルフ連盟から5校)でしょう。ここでチーム日本一をかけて熱い戦いが行われています。また個人戦としては日本学生ゴルフ選手権競技と朝日杯争奪日本学生ゴルフ選手権が大きなタイトルです。
ここ数年、ゴルフ業界の活性化を目的として、湯原信光プロが東京国際大学の監督に就任したり、羽川豊プロが出身校の専修大学の監督になったり、もちろん私自身も東京大学の監督になるなどプロゴルファーが積極的に学生ゴルフに携わっています。
これは、若者のゴルフ離れが深刻な中で学生ゴルフを盛り上げることが普及の一助になると考えているからです。世界に通用するようなプロゴルファーの育成はもちろんですが、ゴルフの魅力を社会にインフルエンスできるようなアマチュアゴルファーを一人でも多く輩出することが大学ゴルフ界の大きな役割だと考えています。