先日行われた「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」は17番パー5で劇的なイーグルを決めたシン・ジエの優勝で幕を閉じた。最後まで優勝争いをした2017年の韓国ツアー賞金女王イ・ジョンウン6も3位につけるなど、韓国人選手の活躍が目立った。みんなのゴルフダイジェスト編集部員であり、プロゴルファーの中村修は、この2人のスウィングには共通する特徴があるという。早速解説してもらおう。

大器の片鱗を見せたイ・ジョンウン6

イ・ジョンウン6とシン・ジエ2人の共通点は、ともに韓国女子ツアーの賞金女王経験者であることだけではありません。そのスウィングにも共通するパーツがしっかりとあるのです。

身長171センチとモデルのような体型のイ・ジョンウン6選手と、身長155センチと小柄なシン・ジエ選手。一見したイメージの異なる二人に共通するスウィングパーツ。それは、テークバックで左腕と地面が平行になる位置でクラブが垂直に立つ「アーリーコック」。そして、インパクトで右足のかかとが上がらない「ベタ足」のふたつです。

ゴルフ通の方ならご存知の通り、アーリーコックとベタ足は、イ・ボミ選手やキム・ハヌル選手などにも共通する、いわば韓国選手の基本とも言える部分。シン・ジエ選手と新鋭のイ・ジョンウン選手の二人も、ご多分にもれず、それをスウィングに組み込んでいます。

まずは、アーリーコックから解説していきましょう。アーリーコックとは、バックスウィングの早い段階で手首を左手親指側に折るコッキングを終わらせる動きのこと。こうすることで右手の角度が決められるため、タメが安定し、スウィング中に右手の角度をキープしやすくなります。その結果、ボールに対するクラブの入射角が安定し、つねに一定の打ち出し角、スピン量で打つことができるようになります。

画像: アーリーコックによって打ち出し角とスピン量が安定する

アーリーコックによって打ち出し角とスピン量が安定する

打ち出し角とスピン量が安定するということは、イコール、縦の距離感が安定するということです。「サロンパスカップ」ではシン・ジエ選手がパーオン率2位、イ・ジョンウン6選手がパーオン率6位とともに上位でしたが、これは縦の距離感の管理の上手さの賜物と言えると思います。

もう一つの特徴であるベタ足には、脚を使い過ぎることで生じるタイミングや軸のズレを防ぎ安定したスウィング軸を保つという効果があります。

勘違いしてほしくないのは、ベタ足といっても腰はしっかりと回転しているということです。インパクト付近の写真を見てみると、両者ともに右足のかかとがほとんど浮かない状態でありながら、おへそはターゲット方向を向いています。しっかりと体を回しつつ、足が浮かないことで前傾角度がキープされ、インパクトが安定するわけです。具体的には、狭いホールのティショット、傾斜など悪いライからのショットで、とくに威力を発揮します。

画像: 右足のかかとの浮く量は少なく、それに対して腰はしっかりとターゲット方向へ回転している

右足のかかとの浮く量は少なく、それに対して腰はしっかりとターゲット方向へ回転している

強風が吹き荒れるタフなコンディションで結果を残した背景には、ベタ足スウィングがもたらす安定したショットの影響が見逃せません。

このベタ足スウィング、アマチュアでも効果のある人は多いと思います。ポイントは、ダウンスウィングだけでなく、テークバックからベタ足にする意識を持ち続けること。そうすることで、右足かかとが浮かない粘りのある使い方が実現できます。

さて、デビュー戦でいきなり優勝に片手をかけたイ・ジョンウン6選手。「サロンパスカップ」でいきなり活躍した韓国人選手といえば、チョン・インジ選手が思い浮かびます。日本ツアーデビュー戦となった2015年大会で日本ツアー初出場初優勝を果たすと、わずか2カ月後には全米女子オープンを初出場初優勝で制しています。

未完の大器という言葉がふさわしいイ・ジョンウン6選手もひょっとすると……そう思わせてくれた、日本デビュー戦でした。元世界ランク1位にして、元米女子ツアー賞金女王のシン・ジエ選手に負けない活躍を期待したいですね。

キャロウェイ

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